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恋人生活⑭

あと、全く乗り気じゃないのも伝わってくる。 どうやら拓馬は、恋人が自分じゃなくて道具で快感を受けるのが嫌いらしい。 ……おれはどうだろう。 俺が寝た後に、拓馬がこの玩具で自分を慰めてたら確かに嫌かも。 「なあ、そっち向いてもいい?」 「やっぱ道具いいや。拓馬が良い」 ぐるんと回ると、お湯がぴちゃぴちゃ音を立てて水面を揺るがした。 俺が振り向くと、玩具に咥えられた俺自身がゆらゆら揺れて、拓馬は笑う。 「まあ、確かに面白い姿だが、仕方ねえな」 「だろ、やっぱ俺は」 「俺が教えてやるか」 「え――」 言い終わらない内に、ぞくりと背中に悪寒が走る。 一瞬で唇を塞がれ、そのまま胸を弄られた。 「んんっ ふあっ」 そちらに意識が向いてい油断していた時に、玩具ごとぎゅっと握られた。 「まっ ひ、ぁっ」 さっきとは違う。 引っ張られて痛い感じじゃない。 「これ、だ、めっ だっ」 なんで? 一瞬で頭が真っ白になった。 キスで? 触れられたから? いや、さっきまできつくて痛いだけだったその道具の刺激にも身体が反応してしまったのが分かった。 ……やばい。 「た、くまぁっ」 頭をぎゅっと抱きしめて、一度に襲ってきた快感を耐える。 のに、頭を抱きしめて押し付けた身体に、拓馬は舌を這わせてきた。 「ば、かっ ちがっ刺激強、い、の」 「まあ、そうだろうな」 にやにやと余裕ぶった拓馬の声に、ますます頭が混乱してくる。 ずるい。 「な、なんで」 「あ?」 「気持ちが良いの? ……拓馬が触ったから?」 自分じゃ痛いだけだったのに、今は胸がドキドキして身体が熱くなっていた。 「半分正解だ」 滲んだ目尻に口づけを落とすと、耳元で甘く囁いた。 「俺が、――お前の感じる場所を知ってるからだ、よ」 「うっ」 下半身に来る甘い声に、思わず身を捩った。 けれど強引に腕を掴まれて、胸に引き寄せられる。 胸に飛び込むと、お臍のあたりで熱くて硬い、ナニかに当たった。 「で、かっ」 「お前、ほんっとにムードねえなあ」 「だ、って、」 「お前がエロい声出すから、興奮しちまったんだ。当たり前だろ」 恥ずかしがらずに堂々と言われたら、逆に清々しい。 「上下に強く動かしたり、握るだけじゃ感じねえよ。俺がやってやるから、――お前は大人しくしとけ」 「……やだ」 そんなの一人だけ乱れて恥ずかしい声あげるだけじゃんか。 正面で向き合ったままなんだし、俺も……。 そう多い、滾った拓馬のモノを片手で握る。 手に余る大きさに、改めてその存在感に息を飲んだ。 「――俺のイイ場所も教えてやろうか?」 その言葉に素直に頷くと、クッと短く笑われた。 「こい」

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