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四、脅迫したいな。21

あげるーっと、子どもがお菓子を分けてくれる様に、一個くれた。 「俺、愛あるえっちしか駄目派なんだけど、吾妻は愛があるんでしょ?」 「……今は分からない。お前みたいに、征服したいだけかもしれないし」 俺のことを何とも思っていない花渡に執着しても、俺はただの滑稽で哀れで惨めな人間だ。 しがみつくのは、もう無理だ。 「で、俺も保護したい程度には吾妻を愛してるし、花渡もひんむいてみたい好奇心の相手だし?」 「警戒しないか?」 もしかしたら、もう二度と俺に会いたくないかもしれない。 「怖いの?」 暇は起き上がって、携帯で何か探し始めた。 「怖いならいいよ。傷ついた恋心を自分で修復しなよ。誰か彼氏でも彼女でも作っちゃえば忘れられるかもよ。花渡と反対の、軽薄そうで不真面目で、無収入で髭が生えてそうで、パンツ二日ぐらい着てそうな」 「リアルな案やめろよ」 ぷっと吹き出すと、暇は笑った。 「俺もさ、一度ぐらい相手に焦がれてみたいね」 その言い方は、俺が花渡に恋焦がれ、一途で綺麗な片思いみたいな表現だった。 違うのに。 俺の恋はもっと汚くて、汚れていて、汚したくて。 「いいよ。やろう。俺が呼び出そうか」 めちゃくちゃに焦がれている。

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