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対極的恋愛⑩
暇の後ろ頭を強引に引き寄せて、花渡がキスをした。
水音がして、舌がからまったんだと分かると、思わず耳を塞いでしまった。
花渡は俺の恋人なのに、暇にキスしてる。
暇がどんな顔をしてるのか想像したくないし、二人がキスしてるのも嫌だ。
暇が離れるのは嫌だって思ってたのに、二人がキスしてるの、嫌だ。
俺も混ぜてくれなきゃ。
暇に手を伸ばし、バスローブの合わせから手を入れると、花渡のキスにもかかわらず全く反応していないソレに気付く。
二人の漏れる甘い息使いとは裏腹に、暇は反応してないんだ。
「暇って、AVの仕事してる時どうやって大きくさせてんだろ」
「色々試してみましょう。舐めるぐらいは三人でしてる時、できたでしょう」
「そう言えば、ルイ君にはガツンガツン挿入してヤってたよね」
花渡の身体の上を伝って、座った暇の萎えているものを口で咥えてしごいてみる。
花渡だって反応してくれる俺の舌さばきに、暇の巨根は全く反応しようとしていない。
「……仕事みたいに義務的な舌使いになってきました」
花渡も唇を離すと、ごしごしとスーツで拭いて暇を睨みつけた。
「なに? 二人と一緒に居るためには、二人に性感帯を開発されなきゃ行けなくなるの?」
「教えてくれなきゃ、ふにゃふにゃの巨根を入れてお前の上で腰を振ってやる」
「ふにゃふにゃしてたら入らないし、半起ちは抜けやすいし、初心者の吾妻には無理だと思うな」
「だったら、私が貴方の後ろを開発してあげましょうか」
唇に指を入れてかき混ぜながら、花渡が暇を見下ろす。
「ふぁっ んんっ」
「苦しそうな声も、喘ぎに似てますね、噛んだら、玩具三個は後ろの突っ込んであげますからね」
花渡の、冗談にも本気にも聞こえない怖い本音に、更に暇の巨根が縮まった気がした。
けれど、くちゅくちゅと口の中に入れられた三本の指が動くたび、俺は身体を熱くさせていた。
「花渡、その指、……俺にちょうだい」
「は?」
「花渡が暇を苛めてるのみたら、……俺、やばい」
うしろがきゅんっと反応して頬が熱い。
「そうですか。ではもっと暇さんの舌で濡らしときましょう」
「ぐっ」
有無を言わさず口の中を指が動き、暇は苦しそうに目尻に涙を浮かべている。
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