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対極的恋愛⑪

「貴方に突っ込んでも良いんですが、吾妻さんがほしいと言うので貴方にはあげません」 指が抜かれ、ゲホゲホと咳をしながら暇は涙目で花渡を見上げる。 「愛があるなら、吾妻に上げるのは当然だろ。俺はいらねーもん」 んべっとわざと子どもっぽい仕草でじりじりと距離を取る暇に、花渡は片眉を上げる。 「花渡、いいから、はやく」 ファスナーを下ろしズボンを足元に落すと軽く蹴飛ばす。 焦った俺の行動に、優しい目を向けてくれる。 さっきからずっと暇ばかり見ていたその目が、やっと俺を見た。 「足を開いてください」 自分で膝の裏を手で支えて足を開く。 花渡が、暇の唾液で濡れた手をぬるぬる擦りつけてくれたあと、つぷんと人差し指を入れた。 「あっ……」 潤滑剤と違って滑りが無い分、いつもよりも少し痛かったけれど優しい動きで焦らされて支えていた手の力が抜けていく。 「くちゅくちゅって水音、いやらしいよねえ」 暇が花渡の肩に顎を乗せて覗きこんでくる。 まじまじと見つめられて、なんだか恥ずかしくなるんですけど。 「暇の舐めてあげるから、こっちおいでよ」 「無理無理。今日はもう起たないってば」 「キスぐらいはできるでしょ?」 花渡が乱暴に暇を引き寄せたあと、小さく舌打ちした。 舌打ちする花渡を見るのは、初めてみたいで新鮮だ。 少なくてもエッチ中はそんな焦ることはないのに。 「ソファで二人を相手にするのは狭いと分かりました。ベッドに移りましょう」 指を抜かれた余韻を味わう暇もなく、ベッドに投げ飛ばされその横に暇も沈む。 暇も、花渡の意図が分からないのか視線を彷徨わせて焦っていた。 その姿が、余裕が無くて可愛くて思わず唇を奪った。 「んっ」 奪うと同時に、花渡の指が二本に増えて入ってきて、中で動き回る。

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