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対極的恋愛⑫

三人でヤっていても、どこか暇は一人距離を置いてる。 俺が喘げば、花渡は高揚して動きを速め、その振動で揺れる視界が俺は好きだった。 それなのに、暇はその揺れる視界の向かいで、一人上手に距離を取っている。 気づかれないぐらいの、けれど付かず離れずの絶妙な距離。 でもな、俺にはその距離が遠いんだ。普通の距離が俺には遠いんだ。 気づいて、俺の手に指を絡めてくる暇はずるい。 ウソツキ。 酷いウソツキ野郎だ。 エッチが嫌いなら、人と関わるのが、人の体温に触れるのが嫌いならば、混ざらなければいい。 居心地が良いから離れたくないから、だからしたくないエッチに混ざってでも傍に居たいのならば、ちゃんと俺と花渡を愛してよ。 身体が繋がっていても、心だけ離れていて、それってちょっとずるいなって思ったんだ。 くちゅりと舌が離れて、荒い息使いの向こうで、どこかホッとしている暇に気付いた。 俺と花渡に求められて、満更でもない顔。 そこに、隠れていて歪で、綺麗じゃないけど愛はあって、気付いてほしそうに微かに揺れていた。 「花渡、暇を襲おう」 自分の中に入った指の動きに身体が揺れながらも、花渡の腕を掴んで目を見た。 花渡しか受け入れたことがなかったけれど、指でほぐされ、もっと奥に刺激がほしくてひくついていた俺は暇に乗った。 やわらかく反応していないソレの上に乗り、高ぶった俺と一緒に掴むと同時に動かしていく。 俺の先走りだけでは痛かったそれに、花渡がローションで滑りを足してくれた。 そして俺に優しく音を立ててキスをして、その視線は名残惜しげに俺を見つめていたがすぐく暇に視線を移す。 俺からは見つめあっていた二人の表情は見えなかったけれど、キスする音が聞こえ出す。 音をわざと出して舌を絡め、吸いつき、唾液を呑み込み、舌が痺れるほど求めあっていると、俺の下でやわらかかったソレが硬度を持ちだした。 「……暇って花渡のキスには感じるんだね」 「愛、でしょうか。愛されて悪い気がしませんね」 花渡が悪い顔で微笑んだ後、優しく暇の髪を撫でた。 「恋人とは違う愛しさがして、貴方も今のところ特別なのだと自覚してしまったんですが、暇さんは?」

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