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対極的恋愛⑭
花渡が、すげえ悪い顔してる。
でもいつもよりなんて言うんだろう。ちょっと楽しそうだった。
「暇さんがイくまで止めません」
なんて鬼畜な花渡の言葉に、暇が腰を動かす。
俺が咥えていた肉茎が、じゅぼっじゅぼっ喉に当たるほど深く、口から出てきそうなほど後ろへ動き、喉がえずくが嫌じゃない。
暇が必死でイこうと動いてる姿が、なんだか余裕無くて可愛い。愛おしい。
「もう少し優しくしてあげなきゃ、貴方の凶器で吾妻さんが怪我したら大変でしょう」
花渡が、お仕置きだと言わんばかりに指を奥へ差し込むと、びくびくと口の中で動いて暇が苦しそうな声を漏らしていた。
誰が見ても、きっとこの光景はおかしいし。
AVみたいな行為に見えて、愛があるのか感じられないかもしれない。
けれどこれが今、俺と暇と花渡、三人の気持ちを暴いていくために大事な行為だった。
「花渡ぃ、暇のこれ、入れていい? 奥にゴツゴツって当たって絶対、気持ち、いいっ」
「それを私に聞くんですか?」
この状況で、二人で暇を絶頂へ弄っているのに自分も気持ち良くなりたいと、快感で震えている俺に花渡は片眉を上げる。
「イくなら、私のだけです」
***
Side:暇
「あっ……ひゃ、ぁぁ……っ」
吾妻が花渡にしがみついて腰を振っている。
吾妻の顔は此方から見えないけれど、俺の方からは花渡の顔が見える。
汗が顎を伝い、シーツに堕ちる。
ちょっと眉を歪めて、中の締めつけに苦しそうになりながらも、その快感を飲み込むように息を吐く。
吾妻がくたりと首に抱きつくと、下から突き上げて思い切り奥へガツガツと叩きこむ。
ああ、すげえセクシーだよなあ。
俺の口の中、痺れるぐらいめちゃくちゃにしやがって。
でも、いや、でも。
花渡が何を考えてるの全く分からねえけど、吾妻を大切にしてるのだけは雰囲気とか仕草とか言葉の端々から感じるけど、……俺に執着する必要はないじゃん。
なのに、俺が離れようとしたら怒るんだよ。
……いや、怒ってるのかな?
なんで俺には分かりにくいんだよ。
吾妻は大切だし、可愛いし、抱っこして一晩眠る関係は心地いい。
でも花渡は違う。
俺は多分、欲情しちゃうし、その理由はややこしくて。
花渡に、俺は邪魔だよってニュアンスで言われたあの日は、少しだけ胸が痛くて泣きそうになった。
惹かれてしまうのに理屈は要らねえんだなって気付かされてしまう。
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