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お仕置き⑫

「は、花渡ぃ……」 「ふふ。暇さんが、私の為に怒ってくれてるのってとても可愛らしくありませんか」 ご機嫌な花渡は、俺の顎を包み込むように持ち上げて、キスをしてくる。 「私は、まあ暇さんより怒ってないですが、罰をあげないと気が収まらないらしいので許して下さいね」 「ば、罰……」 何をされるんだろうと身構えると、にやりと花渡が笑う。 「そうですね。じゃあ、ここ、舐めてもらいましょうか。吾妻さんの可愛いお口で」 「そ、それだけでいいのか」 それぐらい、花渡のだったら喜んで。 案外優しい罰で良かったと胸を撫で下ろしていたら、花渡は首を傾げて考え込む。 「手は使わずに、取り出して、口だけで奉仕お願いしますね」 「え?」 驚いている俺を見て、花渡は優雅に組んでいた足を崩し広げる。 そして、ソファの前で右手首を固定されて跪いていた俺の首に足を巻き付けた。 「まずは、ボタンを外して、ファスナーを下げてください」 ボタンなんてできるかよーって思ったけど、悪態をつくと後ろで見張ってる暇が何かして来そうで、頑張って噛みつく。 そうか。花渡、俺の為にここ予約したり、バイトお疲れ様ってパーティーしてくれたんだ。 そっか。 リョウさんも人間的に最低な部類だったし、ちゃんと大人しく終わってれば良かった。 「吾妻さん、そんなに舐められると、ズボンが濡れて街を歩けないのですが」 「うー。ボタンは無理。お願い、花渡、代わりにやって」 上目遣いで懇願すると、花渡はにこにこ優しい。 「その計算された可愛さは、私には通用しませんよ」 「くそー。めっちゃ染みになってもしらねえからなあ!」 諦めてボタンを噛んでぐいぐい後ろに引き抜く。 手を使ったらダメって拷問かよ。 ようやく外れ、歯で噛んでファスナーを下ろしていく。 下着が露わになって、花渡の匂いが強くなり、すげえやらしい気分になってきた。

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