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怒ってるんだからね。③
声が抑えきれなくて、手の甲で口を押えていたら腕を引っ張られた。
ねっとりした舌で、下から上へアイスのように舐められ、昨日縛られた腕を優しく撫でられ、暇は楽しそうに咥えてくれた。
舌に唾液を絡ませながら、じゅぼっとわざと下品な音を立てて先走りを飲んでいく。
俺の先走りが潤滑剤になり、喉を大きく前後に動かすと、気持ちが良くて体が熱くなってきた。
昨日は散々、口で奉仕して、綿棒でイかせてもらえなくて。
喉を大きく上下して、花渡の精液を飲んで舌を出して、「全部飲んだから、もうっ」と懇願した。
綿棒がゆれて完全にそそりたって血管がくっきり浮かんた俺の肉茎を暇が握りで上下に動かした。
そして連動して揺れる間抜けな綿棒も摘む。
「うわあ、綿棒が濡れてしなしなになってる」
「ああっ いやっあああっ」
倒れ込んだ俺に、花渡がキスしようとしたのを避けた。
「……ちんこ咥えた口だぞ」
「それが?」
花渡が不思議そうに首を傾げる。
「奉仕してくれた、愛しい恋人の口ですよ」
まじか。こいつ天然野郎かよ。
感動していたのに、暇が綿棒を抜くと、乾いた新しい綿棒を再び挿入して、腰が浮いた。
「いたっ ひゃああああっ ぬい、ぬいてっ」
「吾妻さん」
「花渡、ごめ、ごめんなさ、っ も、ぬいてっ」
腰を上げて、花渡の顔までちんこ押し付けて、すげえ格好してたと思う。
花渡は、俺のイかされもらえていない膨張したちんこを握って、綿棒を口に咥えた。
そして、俺を見ながらゆっくり引き抜く。
――ああっ。
「暇、や、俺っ」
昨日の花渡を思い出して、イってしまった。
びくびくと痙攣するたびに暇の喉に放って、当たって気持ちが良かった。
人の口の中って温かい。熱い。
「うーわ。喉に絡まる。でも昨日もヤったから味が薄いなあ」
暇が大きく喉を上下にさせながら笑顔で、感想を言ってくる。
「……ばか」
「吾妻……もう泣かないでね。気持ちいい、幸せって以外で、泣かないで。ごめんね」
馬鹿だなって笑いが込み上げたが、次の瞬間には愛おしくて胸が痛んだ。
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