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エピローグ①

*** Side:土御門 吾妻 『アンタ、じいちゃんのモノなら今は俺のモノだろ?』 俺の世界がまだ小さかった頃の、最高に調子に乗っていた時の俺の言葉。 表情が変わらない癖に、俺がデートクラブでバイトすると血相を変えてやってきた。 多分本人は自分を冷たい奴だとか思ってるだろうけど、本当はクールになりきれてない。 きっともう少し恵まれた普通の環境だったら、あの人の性格も穏やかになれただろう。 けれど俺はこのままの花渡が好きだ。 敬語で攻められると、めっちゃ興奮する。 それに自分は貰えなかったからとたっぷり愛情をくれる。 本人は、俺と暇が馬鹿やって笑ってる時、保護者みたいに笑うけど、本当は花渡がいるから俺たち二人はのびのび出来てるんだ。 『アンタ、じいちゃんのモノなら、今は俺のモノだろ』 この発言をした馬鹿な俺に、今の状況を教えてやりたい。 花渡と恋人になれただけでなく、暇も傍に居てくれていると。 花渡は、不器用だけど愛情深い良い奴で、そして本人には自覚はないだろうけど、とろとろにされるぐらい愛撫がくそ丁寧。 こいつ、多分放っておいたら、足の指まで舐めそう。 なのに、すげえ意地悪。 優しいし、嫉妬深いけど、常にブレーキ踏んで我慢してくれてる感じ。 俺はそのブレーキをどうしたら壊せるのか考えるのが好き。 超大好き。 俺がいっぱい溢れるぐらい愛をあげるから、だから好きだと言ってほしい。 それと、少しだけ意地悪をしてやった。 デートクラブに名前だけ残して在籍してるように見せた。 二人の為に止めようって言ったんだけど、でもあの夜のお仕置きが悔しくて、辞めてやんないことにした。 それについて、二人に二日ほど軟禁されて色んな事をされたけど、全然へこたれなかった俺の勝ち。 就職に有利なデート相手が居たら、とことん利用してやる。 だから実はこっそり、たまあにVIP客とご飯言ってるのは内緒に見せかけて、その後のお仕置きが楽しかったり。

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