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第3話

 アルバイトが終わり帰路に就く。焼肉屋さんからは肉の焼ける匂いがして、お腹をマックスで空かせる。今日はお母さんがすき焼きを作ってくれると言っていた。高校生のお腹に肉は嬉しい。  俺の住んでいる家は坂の上にある。だからアルバイトの行きは楽だが帰りは坂道を上るのでかなり厳しい。おばさんなんかは歩いて自転車を押しているが、俺は立ち漕ぎで自転車を降りずに上る。バスケットボール部に所属しているし体力には自信がある。  家に着いて玄関を開ける。スニーカーを脱いで家に上がって洗面所に行きうがいと手洗いをした。この時期はインフルエンザが怖い。年末年始に身体を壊すなんて嫌だ。それに明日は大樹と年明けを迎えるんだ。初もうでも楽しみだ。明治神宮なんかに一緒に行くのもいいな。  2階の自室に行くと、今日道を訊かれたリリアンからラインが来ていた。無事にカフェに着きました。有難う御座います。とメッセージがある。最近は翻訳アプリなんかもあるのでそれを使って入力したのかもしれない。リリアンの日本語はたどたどしかった。

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