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第38話 お行儀良くはできなくて

「っ」  ベッドに寝そべり、服を捲り上げ、  小さく息を呑んで、慶登の白い指がピンク色の部分を撫でる。指でくるりと撫でてから、人差し指できゅっと窄めた口をカリカリと引っ掻く。引っ掻いて、抉じ開けるように指で突付いて、そして、またくるりと撫でる。  ただのマッサージだった時と変わらないのに。 「あっンっ……ぁ、ぁ、ぁっ、はぁっ……ン」  声が違う。 「ぁ、あっ」  ここを愛撫される快楽を知ってる艶めいた声。 「ぁっ……」 「この前もすぐに出てきた」 「あっ」 「学校の倉庫でした時」 「っ」  耳元で囁くと数日前の秘め事を思い出して興奮が増したのか身震いをして、俯いた。 「最初はけっこう時間かかったのに」 「あ」  ふぅ、と息を吹きかけると、気持ち良かったのか、慶登が小さく声を上げる。 「よかったね。治って」 「ぁ、アッ、ワセリン、塗ったのに」 「大丈夫だよ。少しくらいなら舐めたって」 「あぁっ、少し、じゃっ」  口に含むとコリコリとしてる。ちょっと硬いゼリービーンズみたいな乳首を舌先で転がして、舐めて、吸って、また唾液で濡らすように舌で舐めた。 「少しじゃ、イヤ?」 「ン……」  こくんと頷き、はいと、小さな声で答えながら、乳首を見せ付けるから。 「んんんっ」  思いきり噛み付くように乳首をいじめると身悶えた。 「コリコリ」 「あ、だって」 「気持ちイイ?」 「っ」  慶登が恥ずかしそうにしながら、ベルトを外して、学校の先生らしい紺色のスラックスの前をくつろげた。、 「気持ち、イイ、です」  そう言って、やらしいシミが滲んだ下着を慶登の白い指がズリ下げて、トロトロピンクの美味しそうなのがしっかり勃ち上がっていた。  真面目なんだけど、四角くない。丸くて触れると柔らかくて。 「だから、ぁ……かうぱがたくさん出ちゃった」  舐めたら、きっと甘い。 「あふっ……ンくっ……ん、ンっ」  口移しで食べるにはちょっと濃厚すぎるチョコレート。 「ン、ぁっ、ベトベトに」 「そしたら、舐めるよ」 「ぁ、ひゃぁぁン」  舌で乳首を潰すように舐めて、慶登の中、前立腺を狙って二本の指で押し上げた。カウパーが出やすい慶登は中からの刺激にまた反応する。中をワセリンでほぐしてる間ずっと聞こえる甘い甘い蜜音に理性なんてものは形すら残ってないくらいに溶けて消えた。 「ン、ぁっ、ン、やっぱり」 「? 慶登?」 「このチョコレートの中のはあまり美味しくない、です、だから……」  歯で端だけを齧った慶登が中のリキュールだけを舌先に乗せた。 「保さんに、あげる」 「……」 「ン、ふぁっ……ぁ、ン」  リキュールだけを俺の舌に擦り付けて、自分は残った甘い甘いチョコレートだけをその舌に乗せ、溶けていくのを味わってる。  たぶん、酔ってる。どれだけアルコールがきつめなのが入ってるって言ったって、お菓子だ。それでも、慶登の口の中はとても熱くて、濡れていた。ただのウイスキーボンボンにも酔っ払えるほどお子様な舌なくせに。 「ンん……んんっ、ンくっ」  俺が誰ともしたことのないような卑猥な舌遊びをする。 「あっン……保さんっ」  知らない。行儀が悪いなんて。 「も、ここ、柔らかい、だから」  知らない。食べ物で遊ぶな、だなんて。 「早く、欲しいっ、ぁ、あ、あぁぁぁぁ」  学校の先生なのに、なんてことは、知らない。 「あぁぁぁぁぁぁっ、ン」  四つん這いで、胸から顔をぺとりとベッドにくっつけて、腰から尻を高く掲げたいやらしい格好で欲しがる慶登が挿れただけでイった。  慶登のミルクがシーツを濡らす。 「あっ……ン」  イって、気持ち良さそうに俺にしゃぶりつくのがたまらなく気持ちイイ。 「あ、ぁっ……僕っ、ン、ぁ、イって」 「ごめん。止められない」 「あぁぁぁぁっ」  腰を鷲掴みにして、奥まで抉じ開けると、押し付けられた尻に、腰が弓なりにしなる。突かれる度に押し上げられた尻たぶが白くて、鷲掴みにされた痕が赤く残ってた。 「慶登」 「ぁ、あっ……ン、ぁっン」 「口、開けて」  背中を反らせて、唇を開く慶登にまた口移しでチョコレートを一粒。甘くて、ほろ苦くて、喉奥が熱くなるそれはセックスの熱で一瞬にして溶けて、白い喉を汚した。 「あっ……ン、これ、やっぱり」  中がきゅぅぅんって切なく物欲しそうに締め上げる。 「あまり美味しくない、です」 「そう?」  どれだけ入ってたっけ。チョコレート。  けっこう入ってた。晩御飯が餃子の時は、焼き餃子に揚げ餃子に水餃子。あとスープ餃子、だっけ? たんまり食べる慶登だから、チョコレートもウイスキーボンボンだけをたんまりと、だった。  それをさ、残り一つになるくらい食べたのに?  それなのに、美味しくなかった? 「保さんと、キスしたい」  大きく口を開けて、あーんって、よく食べる慶登が齧り付くようにキスをした。背中を撓らせて、後ろから小さな孔を奥まで深く浅く、強く抉じ開けられながら、くちゅくちゅやらしい音を繋がった場所で、唇で、させながら。  カウパーでびしょ濡れのピンクからまたミルクが出そうになると、身体の中を切なげに締め付ける。 「ン、んっ、ぁっ、また、イっちゃう」  喘ぎながらそう囁く慶登は、やらしく舌を絡ませあうキスをせがんで唇を重ねる。それはまるで、美味しくないと言っていたウイスキーボンボンがまだ欲しいみたいに貪欲で、行儀がとても悪かった。

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