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3-1 合コン ~ケンイチ~

今日は、カオルと約束の合コンの日。 俺は、待ち合わせの樹音公園(きねこうえん)の池の(ほとり)(たたず)むホテルに向かった。 「やべぇ、遅れちまった」 年上って事で、ちょっと色気出しすぎたか? わざわざ、ネットのフリマでおしゃれなスーツを購入。 髪型も念入りにセット。 で、思いのほか時間がかかりこうなった。 でも、実際のところ、ここで彼女ができなくても良いって思える自分がいたりする……。 カオルに会いたい。 その一念で来たといっても過言ではない。 そうなのだ。 ここ数日の間、ずっとカオルのことを考えていた。 俺は、カオルのことが気になって、気になって仕方ない。 いまだ、カオルとのキスの味も忘れられずにいた。 カオルは男だ。 でも、男だって以外は俺好みのど真ん中。 俺は、カオルをどうしたいのだろう? それすらも、よくわからない。 ああ、あいつが女だったら、もっと単純だったんだが……。 そんな事を今も考えているうちに待ち合わせ場所のホテルのラウンジに到着。 はぁ、はぁ。 俺は、息切れしながら辺りを見回した。 「やべぇ。他の奴らはもう先にいっちまったか? カオルは?」 はぁ、はぁ。 膝に手をやり呼吸を整える。 そこへ、黒いファーのガウンコートを着たエレガントな女性が近づいて来た。 きっとこの人も今日の合コンの参加者。 遅れて来たのだろう。 「あの……合コン参加される方ですよね? 他の人、先に行っちゃったみたいで」 「あら、そうなんですか? では、私達、二人だけですか?」 「そうみたいっす」 「ふふふ。クスクス。あはは」 「へっ?」 「オレだよ。オレ」 「えっ? カオル?」

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