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「佳孝さん。愛してる。だから……僕を助けて」  迷う佳孝に理津は自ら唇を寄せた。体重をかけるようにもたれ掛かると、佳孝が理津を抱えたままベッドに倒れ込む。  佳孝を見下ろしながら、何度も唇を重ね合う。  頭を抱え込まれ柔らかくて厚い舌が割り込み、理津も答えるように絡ませる。互いの唾液を啜りあい、口腔を弄った。  ずっとこうしていたかったが、息苦しさに理津は顔を上げる。  見下ろす佳孝は欲を滲ませた目をしていた。濡れた口元が扇情的で、息をあげることなく余裕のある姿は、男の魅力を引き立てている。  こんな顔をするのかと、理津は初めて知った。いつも薄暗い室内で、外からの逆光であまり表情が分からなかったせいだ。  ちゃんと自分に欲情してくれると分かり、理津は歓喜に全身が戦慄いた。  もっと、佳孝の劣情を引き出したい。その思いから、佳孝の下肢に理津は身体を下げる。 「理津……そんなことしなくてもいい」  佳孝が上体を起こそうとする。 「させて、お願い」  そう言って理津は佳孝のバスローブを開き、やや兆しを見せていた昂りに顔を寄せる。  初めてということもあって、うまく出来る自信はない。少しでも気持ちよく感じてもらえるようにと、理津は無我夢中で舌を這わせる。  徐々に質量を増す昂りに、理津はホッとする。  恐る恐る口に含めば、頭上から息を吐き出す気配がした。 「ふっ……ッ……」  奥まで入れるのはさすがに苦しく、舌を使いながら唇を窄める。 「ッ……理津」  少し上がった息遣いで名を呼ばれ、頭に手が置かれる。 「すごくいいよ」  佳孝の甘い囁きに、全身がカッと熱くなる。自分の拙い愛撫で喜んでくれていることが、嬉しくて堪らなかった。

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