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ラーン王国編ー正騎士へー ハッピーバースデー ※
「俺の誕生日?…1月1日」
ヒューが誕生日を聞いてきた。新年を迎えた日、それが俺の誕生日だ。
「ヒューは?」
抱きしめられてキスが落ちる。吐息とともにヒューが答えた。
「俺?俺は3月3日。」
2か月違いか。数字が並んでいるところは同じで嬉しくなる。
「誕生日、二人で祝おう。」
優しい目が俺を見つめる。その目に見惚れた。
「うん。ここを出たら早く会いに来て?」
「もちろんだ。」
首筋にキスが落ちて、そこからヒューの魔力が入ってくる。そのうち胸やお腹にもキスが散った。そこが赤く染まってヒューが愛してくれた証拠に思えてすごく嬉しい。だんだんと快感がこみあげて、前が勃ち上がった。
「感じてる?嬉しいな……」
上からパサリと、ヒューの長い髪が落ちてくる。その髪に指を絡ませて見上げた。ヒューの嬉しそうな顔を見て胸がきゅっと締め付けられた。
「うん……気持ち、イイ……」
俺の声はもう掠れて、上擦る。ヒューの手が俺の象徴を握ってそっと扱いた。それだけで、達してしまいそうになる。でも俺は、ヒューの太くて長いアレが奥に欲しくて腰をもぞりとよじった。
奥が熱い。
「……あん……ヒュー……太いの、欲しい……」
ヒューの手がピクリと震えて止まった。ヒューの背に手を伸ばして引き寄せた。
「早く、奥にいっぱい、熱いの……ちょうだい……」
ごくりと喉を鳴らす音が聞こえて、腰が持ち上げられて、熱い先端が後孔に宛てられた。ひくりと襞が戦慄いてその先端を咥えこむ。
「は、メルト……挿れるぞ……」
掠れた声でそうヒューは言うとぐっと太い幹が入ってきた。
「……あっ……」
その大きさに仰け反る。入ったら、馴染むのに入ってくるときは息が詰まるほどきつい。
「大丈夫か?」
心配そうな声に首を縦に振る。
「……大丈夫。気持ちいい……」
背を抱く手に力を籠めると自分から腰を押し付けた。ググっと奥に入ってきて、俺のイイところに当たった。
「……あっ……んっ……」
思わず締め付けてしまうと大きくなったようだった。
「……は。めちゃくちゃ気持ちいい……」
ぐっと勢いよく突き入れられてすべて収まった。ヒューはしばらく動かずに俺を抱きしめた。
「ヒューの奥まで入ってる……嬉しい……」
俺が微笑むと、ヒューが息を飲む。とたんに腰が動いて激しく揺さぶられた。
「…あん…あっ…あっ…」
揺さぶられるたびに声が出てしまう。ヒューの先走りも中に注がれて、奥が熱くなる。
気持ちよくて何も考えられなくなる。
「あ、も……イく……あん…ああああぁーーっ……」
奥に熱いモノを感じながら俺は果てたのだった。
それはダンジョンを出る日も近い、ある晩のことだった。
新年で久しぶりに家族にプレゼントをもらったその晩、俺は夢を見た。
起きると忘れてしまう、あの夢だ。
ヒューは二人で誕生日を祝おうと言ってくれたのに、俺は一人だ。
『嘘つき。迎えに来てくれるって言ったのに。』
悲しくなって蹲る。虹色の夢の空間でも、俺は一人だ。
『ヒュー、会いたい…会いたいのに。』
どうして来ないの?
『メルト!』
声が聞こえた。懐かしい声。
『ヒュー?』
顔を上げると抱きしめられた。
『ごめん。会いに行かれなくて。』
ぎゅうぎゅうと抱きしめられて苦しくなる。でも、嬉しい。
『誕生日、おめでとう。』
じわっと涙が滲んだ。
『ありがとう……』
目尻にキスが落ちる。誕生日に会えた。それだけでも嬉しい。
『今はプレゼント渡せないけど、会ったらいっぱい渡すから。』
俺は首を横に振った。
『ヒューと一緒にいられれば、何もいらない。』
ヒューは目を見開いてから優しい目で俺を見て、口付けた。
『……んっ……』
魔力が入ってくる。気持ちいい。ヒューのキスはいつでも気持ちがいい。
いつの間にかベッドに移動していて、俺達は抱き合ってた。
ヒューの膝の上に乗って、唇を離すとヒューを見た。
『ヒュー、好き。』
嬉しそうに見つめるヒューのその顔も好き。
これは夢なのか、それとも本当に会っているのか、わからないけれど、ここにいるヒューは本物に思えた。
『メルト、俺も好き。愛してる。』
顔が近づいてまたキスをした。お互い貪りあうキスに、股間が熱くなる。
俺のそれにヒューの大きいのが触れた。下を見るとすっかり勃ち上がって先端が濡れていた。
俺を欲しがってくれているのがわかって、嬉しくなった。
その熱い幹に俺自身を擦りつけた。すぐにヒューの昂りは硬くなってますます大きくなる。
『メルト、すぐ、中に入りたい。』
欲情の色濃い瞳で見つめられて背中が震えた。
『うん。俺もヒューのが奥に欲しい。』
奥はすでに熱くなって濡れている。俺は腰を上げてヒューが挿入しやすくした。
先端が宛てられてぐっと突き上げて中に潜り込んでくる。
ああ。ヒューのだ。
繋がっている。ヒューと。
『メルト、泣かないで。』
俺は首を振る。
『ヒューと繋がっているから。嬉しくて。』
ヒューは目を細めて涙を舌で拭い取ってくれた。
『俺も、嬉しい。メルトと繋がれて。』
嬉しい。ヒューも同じ気持ちだ。
ゆっくりと揺さぶられて、腰が落ちた。
自分の体重でヒューを奥まで飲み込む。先端が奥まで入って、その感覚に仰け反った。
『あん……奥まで……』
自分の声が甘さを含んだのがわかった。
『ああ、奥までだ。このままずっと繋がっていたいな……』
熱い吐息を耳元で漏らしながら囁くヒューに項が震えた。
『うん。ずっとずっとこうしていたい。』
無理だと心の奥底で分かっているのに願ってしまう。
『ああ……メルト……』
ヒューの声が切なさを滲ませた。俺を抱きしめる手に力が籠った。そして大きく揺さぶられた。
俺は上下に揺さぶられるのに合わせて自分でも腰を上下させた。中はうねってヒューを締め付ける。
中を擦りあげられるたびに、俺の昂りは硬く大きくなった。
『……あん…あっ…あっ…』
『メルト…メルト…』
激しく突き上げられて、ヒューの太い部分が俺の感じるところを何度も刺激した。
その度に目の前が白くなって快感が体中を駆け巡った。
『ダメ、…イく…あん…イっちゃう、…あああーーーーっ……』
きゅうきゅうとヒューをきつく締め付けて俺は果てた。
すぐ後にヒューも達して、奥にヒューの子種を感じた。
それから俺達は何度も愛し合って、俺は最後に気を失ってしまった。
(せっかくヒューに会えたのに。もう、会えないかもしれないのに)
そう心のどこかで思いながら。
「メルト―起きておいで。ご飯だよー」
ハディーの声で意識が浮上する。
起き上がって、手に何か握っているのに気付いた。
守護のペンダントだ。
なぜか、首にかけてきてしまってたのを夜外して、手に持ったまま寝てしまったらしい。
それを胸元で握りしめる。
あのダンジョンから生還して俺が身に着けていたものの一つ。
握っているとあったかく感じて、それをまた首にかけて、着替えて階下に降りて行った。
「起きた!すぐ行くよ。」
なぜだか、嬉しいような、悲しいような、そんな気持ちで。
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