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第12話 世界は崩壊する
草太は少しためらいながら足をM字に開脚した。
濡れた指が、下に降りすぼまりに入っていく。指が入ったところがはっきりとさらされ、中の赤い皮膚まで見える。
まるで自慰をしているようで、目が離せなくなった。
細い指が小さな孔にのみ込まれていく。草太は慣れた様子で指を動かし始める。
「っん……」
草太が微かに喘いだ、吐息のようなそれに清隆の体温がまた上がる。
「もう、準備万端だな」
「っあ!」
焔次はそう言ってクスクス笑い、清隆の中心を探る。
そこはもう、言い訳ができないほど固く勃ち上がっていた。
「これは、楽しいことになりそうだな」
焔次は、清隆を抱えたまま体を進め、草太の濡れた後孔に清隆のそれをあてがう。
「や、やめ!」
狭く赤くなったそこは、到底入りそうにないくらい小さい。
しかし、腰を推し進めると清隆の雄をゆっくり飲み込んでいく。
「嫌がってる割には、ガチガチじゃん」
「い、言うな……っあ」
清隆は首を振って嫌がる。
しかし、焔次は構わず動けない清隆の体を羽交い締めにしたまま進める。ローションで濡れたそこは抵抗も少なく、カリの部分が入るとあっという間に根元まで埋め込まれてしまう。
そこは想像以上に柔らかくて、それでいてきつく締め付けた。
「ん……っあ」
草太が微かに喘いだ。
「草太……」
少し顔を赤らめ表情をゆがめた姿は、こんな状況なのに艶めかしくて目が離せない。草太が動くと中もうねる。中はぬるぬるで暖かくて思わず腰が動きそうなほど気持ちがいい。
清隆は、自分がいつのまにか息が荒くなっているのに気がついた。
頭の中がぐちゃぐちゃになる。
なんで、こんなことになっているのか。
「あーもう、我慢出来ねえ……」
焔次がそう言って、唖然としている清隆の腰を掴み勢いよくガツガツと動かし始める。
「!っあ……っひ……ぐ……」
急な動きに痛みが走る。さっき初めて広げられたそこは、その急速な動きに痛みが走る。
気持よさと痛みが波のよう襲う。頭の芯が痺れたようになってだんだんと朦朧としてきた。
「っあ!ん……っあ」
焔次が腰を打ち付けるから、清隆の体も押され、自動的に清隆は草太を犯す。
奥まで突かれると、草太は感じたのか喘いた。
「っ……」
頭はぐちゃぐちゃだが、そこから来る快楽は強烈だった。草太の肌はどこも滑らかで、中は動く度にうねって絡みつく。さっきまであんなに触れたいと思っていたが、こんな形で触れるとは思っていなかった。
焔次が体を引くと清隆の体も引っ張られる。中で少し膨らんだところに清隆の雄が触れた。
草太は感じたのかビクリと体を震わせる。
「っあ……あん……」
その反応に清隆はまた体が熱くなる。
「っ……草太」
あらゆる感情が塗りつぶされ、考える暇もなく状況は進んでいく。
焔次の動きはどんどん激しくなる。
そのおかげで、動くごとに清隆の体は快楽を拾い、あっという間に限界に達してしまう。
「っく……やっべ。締まった……」
「っあ……ああ」
清隆は、草太の中に欲望を吐き出した。
後を締め付けてしまったのか焔次が気持ちよさそうな表情で、さらに動きが激しくなる。
その刺激で体が敏感になっていた、清隆は体を震わせた。
「っああ……っひ……し、不知火や、やめ」
出し切って脱力している清隆に、焔次はかまわずガツガツ腰を振るものだから、清隆はがくがくと視界が揺れる。
焔次は、清隆の体を引き寄せると顔を自分の方に向けるさせ、噛み付くように口を塞いだ。分厚い舌がざらりと清隆の口の中をかき回した。
「っ……最高……」
その言葉とともに、清隆に入った焔次の物がブワリと大きさを変えた。
清隆の中で何か濡れた感触が広がる。
焔次は気持ちよさそうに何度も抽挿を繰り返し、全て出し切った。
「っ……あ……」
清隆は言葉もなくベッドに倒れこむ。
全て出し終えると焔次は満足したように息を吐き、清隆に入れていたものをゆっくりと抜いた。
それと同時に清隆の物も草太の中から引き抜かれる。
少し動くと、中に出されたものがどろりと出てくる感覚が足を伝う。
薬のせいで、体はまだうまく動かない。
しかし、それ以上に今起こったことで頭は痺れたように動かない。
足の間には、まだ何か挟まったような感覚があってジンジンと痛んだ。
「あー本当最高。一回じゃ抑まりそうにないわ……」
焔次はそう言って清隆を仰向けにさせ、足を掴み開かせた。
「……っい、嫌だ!……も、もうやめ!」
清隆は動けないなりに必死に抵抗する。もうあの痛みを味わうのは嫌だ。
しかし、なんとか上げた腕は少し動いただけで空振りに終わった。
「あ、あの。焔次くんもうやめておいた方がいいよ、初めてであんまり無理すると病院に行かななきゃならなくなったりするから……」
草太が、おずおずと焔次を止める。それを聞いた焔次は舌打ちをしたものの手を止めた。
「ふん。まあ、いいか。面白い映像はたっぷり撮れたからな。また楽しめそうだし」
焔次はそう言ってスマホを取り出すと、撮ったものを確認し始めた。
清隆は取り敢えず、焔次が手を止めたことにホッとする。
すると、草太がまたおずおずと焔次に話しかけた。
「そ、それより。焔次くんや、約束……言うこと聞いたらキ、キスしてくれるって……」
「ああ?ああ、そう言えばそんな事言ってたな……」
焔次はそう言うと、清隆の方を見てニヤリと笑い。
草太を乱暴に引き寄せてキスをした。
清隆はそれを信じられない思いで、見ていた。
「……ん……ん……」
焔次は見せつけるように草太と舌を絡ませる。草太は頬を赤らめ、うっとりした表情に変わる。
そうして、自分から腕を焔次の首に絡めて抱きついた。
「もういいだろ」
そう言って、すぐに焔次は鬱陶しそうに草太を引き離す。
「……っん、あ……」
草太はベッドに座り込む。その表情は相変わらずうっとりと紅潮している。
「……そうだ、丁度いいから今度はお前が相手しろ」
焔次は何か思い付いたようにそう言って、草太の腕を引いて清隆の上に四つん這いにさせた。
「……え?僕?」
「見せてやれよ?お前がどれだけ淫乱か」
「あ……き、清隆……」
清隆と草太は向い合せになり、目が合う。草太は、気まずそうに目を泳がせた。
「こいつ、俺の言うことならなんでも言うこと聞くんだぜ。しかも誰にでも足開くし。清隆、残念だったなぁ」
焔次は本当に楽しそうに笑って言った後、草太の腰を掴み、一気に自分の物を挿入する。
「っあ……焔次くん!……っんむ……」
焔次は中に入れると、間髪入れず腰を動かし始めた。
草太は眉を八の字にさせ、声を堪えるように唇を噛んだ。
清隆はそれを見て、草太の唇がいつも切れていたのはこれが原因かとぼんやりと思った。
「草太、今日は声出していいぞ。速水にもどれだけ淫乱か聞かせてやれよ」
「んあ……」
焔次はそう言うと後ろから草太を引き寄せると、これ見よがしに草太の口に指を入れ舌と絡ませる。草太は顔を赤くさせた。
赤い舌が焔次の指に絡まるのが見える。
そうして、焔次はまた草太を清隆の上に四つん這いにさせ、激しく腰を打ち付け始めた。グチュグチュと水音がする。
「入れるたびに中から速水が出したのが出てくる。速水のおかげで、柔らかくなってて具合もいいわ。これで速水と俺は穴兄弟だな」
焔次は笑いながら楽しそうに言った。草太の腰に体を打ちつける度に、足の間から清隆が出したものが垂れてくる。
「んあ……あん……っあ……!」
「ほら、気持ちいいだろ草太」
「っあ……うん。焔次くん。き、気持ちいい……っあん……よ。……あん……っあ」
「草太……」
清隆はぼんやりとそれだけ言った。草太は腰を高く上げ、ガクガクと揺さぶられるままになっている。顔は赤く紅潮して、ポロポロ涙を零す。
しかし、その目は明らかに快楽に濡れ、気持ちよさそうに蕩けていた。
よく見ると草太の中心は固く立ち上がり、清隆の腹を擦っている。
「よし、このまんま速水にぶっかけてやれ」
「うあ……や、やあ。もうダメ……!っイく……」
草太がそう言った途端、清隆の腹が白濁で汚れた。
勢いがよかったのか顔までかかる。
「っ……く」
それと同時に焔次も顔を歪めた。体をビクビクと震わせ、焔次も草太の中でイったようだ。
脱力したのか、草太はぐったりと清隆の上に横たわった。
清隆はそれを呆然とした表情で見ていた。
全てが麻痺したようになって、自分がどういう感情なのかもわからない。
目の前で起きていることが信じられなくて、悪い夢でも見ているとしか思えない。
焔次は楽しそうに、その様子を眺めて言った。
「楽しかったな。また、やろうぜ」
——その後、清隆はその間の事はあまり覚えていない。
なんとか体が動くようになると、焔次がシャワーを浴びている間に逃げるようにその部屋を出た。
どうやって服を着たのか、どうやって帰ってこれたのかも記憶にない。
やっと自分の部屋に帰れると、清隆はなんとかベッドに横たわり、そのまま気を失った。
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