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第3話
午前の授業が終わり昼休み。
晴翔に一緒に食べようと誘われて弁当を広げようとしていた時だ。
教室の扉がガラリと音を立てて開く。
いたって普通のこと。
でも、なぜか周りがシーンとして俺も思わずそっちを見てしまった。
教室に入ってきたのは俗に言うイケメン。
艶のある黒髪に口元に笑みが浮かんでいて人当たりがよさそうに見える。
なのに、切れ長の赤い瞳はどこか冷たく感じる。
先輩らしきその人は隣の席の男子のところで止まった。
「あまね、行こう?」
あまねと呼ばれた男の子は小さく頷いてお弁当が入ってるであろうカバンを手に取り席を立つ。
そのまま教室を出て行った。
するとさっきまでの静けさが嘘だったかのように周りが話し始める。
流石に不審感を覚えた。
「な、なぁ...晴翔。」
「ん〜?何?」
何事もなかったかのようにお弁当をつついていた晴翔がこっちを見る。
「さっきの...って...。」
そこまで言ったところで、晴翔の目が細められた。
今日一日にこにこしている晴翔しか見ていなかったから、少し驚いていると
「...アレには関わらないほうがいい。」
と一言、呟かれた。
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