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第4話
突然の一言に動揺していると晴翔が付け足すように少しずつ話してくれた。
「いつきの隣の席のあの子は宗方 あまね。
で、さっき姫を迎えに来たのが2年生の柊沢 棗 先輩。」
「姫....?」
「宗方のこと。みんな姫って呼んでんの。
お昼と放課後は必ず柊沢先輩が迎えに来るんだ。」
「ホント、よくやるよ〜。」と笑う晴翔は朝からずっと見ていた彼だ。
つまりあの2人は付き合ってるのか?
だとしても関わらないほうがいいって言うのはどう言うことなんだろう。
すると、晴翔が俺の考えを見透かしたようにまた話し始めた。
「まぁ、さっきの話で分かったと思うけど、宗方と柊沢先輩は付き合ってるんだよねぇ。
俺らが中2の時かな?
宗方も柊沢先輩も女子から人気あったし、みんな騒いでたなぁ。」
確かにあの見た目だ。
2人とも女子からの人気はすごかったはず。
しかもそれが同性ときて、周りも動揺しただろう。
「その頃はまだ宗方もあんな人形みたいに無表情だったわけじゃないし、周りとも話してたんだよ。
でも柊沢先輩がなんていうか、独占欲が強くて。」
晴翔が話してくれた内容は酷いものだった。
宗方と話した人間も宗方自身も、次の日には傷だらけで来たそうだ。
それから少しずつ宗方は周りから距離を置くようになった。
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