11 / 12

第11話

「……壊さないよ。大事に、大切に、ずっと虐め続けてあげる。そうして欲しいんでしょ?」  熱い唇が重なり合う。智紀のペニスが窄まりの奥まで侵入してきて、葵はもう言葉を発することもできなくなっていた。もう快楽を追うことしかできない。葵のペニスはだらしなく白濁の粘液を溢れさせていた。とろとろと、ひっきりなしに溢れ腹の上を汚す。自分がイキ続けていることに気づかないほど、智紀のペニスの虜になっていた。 「これってメスイキ…? 葵さん、潮吹きにメスイキってエロすぎ。どこで覚えてきたんでしょうね、こんなの」 「そん……なの、言っちゃ、や……ぁ……」  過去の男によって開発された身体のことを言われると辛い。いろんな経験を重ねてきた結果、敏感で快楽に弱い身体になってしまっただけで、今は智紀だけなのに。愛しているのは、智紀だけなのに。  悲しげな瞳を智紀に向けると、彼はふっと笑って葵の頰に触れた。 「――でも、今は全部俺のものだ」  腰を叩きつけ、智紀ははっきりと宣言した。それはどんな愛の言葉よりも情熱的だ。 「葵さんは、頭のてっぺんからつま先まで、全部俺だけのものです。だから葵さんも、俺の愛を全身で受け止めて、俺を愛してください。いいですね」  葵の胸になんとも言えない感情が湧き上がる。支配されて悦び、時に優しく、時に荒々しく愛される。それはどれほどの幸福だろう。  葵は、その幸福を逃したくなかった。

ともだちにシェアしよう!