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極道とウサギの甘いその後4-4

「ぁ……っ」  竜次郎の指を食い締めていたそこが弛緩すると、ずるりと引き抜かれる。  完全に力を失っていない先端からは、とろとろと白濁が糸を引いた。 「りゅう、じろう……」  とろんと見上げると、仰のかされて唇を塞がれる。  まだ息が整わず苦しかったが、湊は歓んでそれを受け入れた。 「ん……っ、ふ、んっ……」 「……、ちゃんといけたな」  褒めるように頭を撫でられると、謎の達成感を感じる。  気持ちよくしてもらったのに褒めてもらえるなんて、竜次郎の腕の中はいいことしかない。  湊は身じろいで、背後で存在を主張するものにそっと手を触れた。 「竜次郎も、もっと気持ちよくなって……?」 「もちろん、そのつもりだぞ」  仰向けにされると、目に入る天井はいつもよりも高く、違う場所であるということを強く意識する。  竜次郎を欲しがって収縮する場所を晒すように体を折り曲げられた時、湊は少し不安を覚えた。 「りゅ…じろ、待っ、て」 「ん?欲しいんだろ」 「でも、声、いっぱいでちゃいそう……」  いつもと違う場所だからなのか、やけにどきどきしている。  たくさん人がいるところでこんなこと……という背徳感がそうさせるのだろうか。  欲しい気持ちと抑えなければと思う気持ちの板挟みになってしまい、湊は縋るように竜次郎を見上げた。  しかし竜次郎は軽く笑って「気にすんな」と一蹴する。 「あいつらには明日、お前の声を聞かねえように言っといてやるから」 「そ、それ意味ある……っあ!」  くぷっと音を立てて押し付けられた切っ先が、柔らかくなっているそこを侵していく。  熱くて、質量のあるもので敏感な粘膜を擦られると、すぐに声を抑えなくてはなどと思っていたことは忘れてしまった。 「あぁ、あっ、」 「は……やべえ、なんか」 「りゅ、じろ、っあ、いや、大き」 「いつもと同じだろ?」 「ん、いつも、大きい……」  お前な、と苦笑した竜次郎がぐっと腰を落としたので、湊はあっと声を上げた。  折り曲げられた体に体重をかけるようにして激しく奥を突かれると、苦しいのに体中が痺れるくらい気持ちがよくて、もっとと強請るように両足で竜次郎の腰を引き寄せてしまう。 「っ、だめ、そこ、きもちいい」 「くそ、エロいんだよ、お前は」  息を乱した竜次郎が怒ったように唸ったので、湊は快楽に溶けかけた思考を少しだけ正気に戻される。 「あ、エロい、の、だめ……?いや、なの…?」 「……なわけねえだろ。たまんねえっつってんだよ」  滲む瞳で表情をのぞこうとしたが、抽挿が激しくなりそれは叶わなかった。 「あ!や!…りゅ、……っあぁっ……!」 「もっとお前のエロいとこ、見せろ」 「やっ、も、これ以上……っぁん!」   肌と肌がぶつかる音が高く響く。  ぐっと奥を抉るようにされると、震える中心が竜次郎の腹に擦れて、全身がぎゅっとなった。 「あ、…だめ、りゅうじろ、いっしょ…にっ」 「っああ、」  一際強く穿たれ、目の裏に星が散る。  至近の体が強張り、中を満たすものが震えるのを感じると、湊もまた絶頂へと引き上げられた。 「んっ、あっ、あーっ……!」 「ぁ……、っん……っ」  白濁を纏わり付かせた竜次郎のものが抜けでていく感触に、湊は身を震わせた。   優しい手が濡れて張り付く前髪をかき上げる。 「平気か?」 「うん……。竜次郎……」 「ん?」 「すき……」  伸ばした手を掬い取った竜次郎は「俺も好きだぞ」と破顔して、甘える唇にキスをくれた。

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