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第10話
伝われ、俺の全ての想い。
キスに全てを込めた俺は、風雅が最初にそうしてくれた様に必死で舌を絡め唇を啄んだ。
肌と肌が密着する毎に、俺の腹部には硬く猛った風雅の熱雄が擦り付けられる。
既に先端から蜜が溢れ落ちていた風雅の熱雄は、はち切れそうな程重量を増していく。その熱に呼応する様に俺の熱雄も物欲しそうに蜜を溢し震えていた。
「椿冴、欲しい?」
蜜まみれの風雅の熱雄が、俺の後孔の入口をゆるゆると擦り上げる。
「フっ……ゥ」
猛々しい雄の感触に、俺は甘い声が自然と洩れてしまう。
見上げれば風雅の眼は血走っていた。
「――俺は、椿冴が欲しい」
遥か昔から切望していた様に風雅は告げると、まだ誰も訪れたことの無い俺の秘孔へその切っ先をそっと充てがう。
「少し痛いかもしれないけど、すぐ好くなるから――」
ふわりと微笑むと、風雅はそれでもまだ窮屈過ぎる俺の内へと容赦無く腰を押し進める。
「ぃ、っっ……」
鈍く熱い雄が俺の内を蹂躙する痛み走る。
初めて知る痛みだ。
だがそれよりも何よりも、風雅の大きさを……存在を、温かさを感じた俺は、全身で感じた風雅の全てを一つ残らず記憶しようと孔をキュッと無意識に締め付けてしまう。
窮屈そうに待機したままの風雅の熱雄が、反射的に更に硬度を増す。
「ァ、ん……ちょっと、また風雅の、大きく……なった?」
「そりゃ、椿冴が可愛く締め付けるから。反則だろ?」
額に滲む汗、荒ぶる吐息、俺だけを見つめる潤んだ瞳に、俺だけに反応する風雅の熱雄。
その一つひとつが本当に愛おしい。
昂る感情を胸に秘めた俺は、自ら無意識に腰を揺らし始める。
「お、おい……勝手に動くなよ。出ちゃうだろ?」
「――出していいよ。むしろ俺を孕ませてよ」
挑戦的な瞳で風雅を見つめる。
つい本音が出てしまった。
直にデキ婚をする風雅には、言ってはいけない言葉だって分かっていたはずなのに――。
悲しそうな表情を浮かべた風雅は、それ以上何も言わずただひたすらに俺を愛でることに集中していた。
足の爪先から頭のてっぺんまで。
慈しむ様に、俺の全身へとキスの嵐を降らせたのだった。
絶対に風雅から愛されている確信があるというのに、この男はもう一生俺のモノにはならないなんて。
現実は残酷だ――。
やがて最奥に熱く迸る風雅の白濁の精を解き放たれた俺は、心に翳りを落としていた深い悲しみ、後悔と共に意識を手放していたのであった。
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