僕には、両親がいない 物心ついたときから、教会の施設で暮らしていた それを不幸と感じたことは、ない けど...... 「結婚式？」 「うん。半年後になりそうなんだけど」 「......」 結婚式？神父さんの前で永遠の愛を誓うっていう......あれを僕と伊織が？ ボッと顔に火がついた......ような気がした 「嬉しいの、かな？」 コクコクッと頷く 「できれば、場所はなおの育った教会で挙げる案を考えたんだけど......」 教会では、皆に馴染めなかった 優しかった人といえば、食堂のおばちゃんと神父様 食堂のおばちゃんは、実家の田舎に帰ったって聞いたけど......神父様には会えるかな？ 「......うっ」 「う？」 「嬉しいっ」 ガバッと伊織に抱きついた 「そう言ってくれてよかったよ......んっ」 ほっとした声が上からキスと同時に降ってきた