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第14話 続・おにーさんと治癒室2*

   ベッドの上へと上がったエリオットさんに馬乗りになるように、自分も上がる。僕の下から見上げてくる金色の瞳を見るだけで、ゾクゾクと背筋を走る物を感じた。  頬へ手を伸ばせば、誘うように擦り寄せてくる。いつもは、頬に添えるだけの手だけれど…遠慮なんてしてられない。  耳を撫でるようにすり抜け、後頭部へと回す。その手に  力を込めて頭を引き寄せると、唇を覆うように口付けた。  すぐに開かれた唇の間を通り抜け、口内へと舌を滑り込ませる。待ち構えていたようにエリオットさんの舌が絡みついてきて、ざらりとした感触が擦れ合い気持ちが良い。  でも、ここでリードを取られてはいけない。  伸ばされてきた舌を強めに吸い上げると、エリオットさんの肩がピクリと揺れた。何度も根元から舌先まで丹念に吸い、溢れそうな吐息を全て食らっていく。そうすれば、飲みきれない唾液が口の端から零れ落ち、エリオットさんの顔を汚していった。 「ふっ、ぁ…」  次第に快感を拾ってきたようで、エリオットさんの頭は力無く枕へと沈む。それでも、頭に回している手は離したく無かった。頭を抱え込むように抱き、歯列をなぞりあげる。もう対抗する気は無いのか、彼の舌は大人しくなっていった。  キスを贈りながら、空いていた手は喉元を撫でる。強く触れすぎないように気をつけつつ、もどかしいぐらいの力で手を下らせれば、既に小さい頂きが主張をしていた。  服の上からでも分かるその突起を捏ねると、喘ぎ声が上がる。けれど、それすらも食べてしまう僕のキスのせいで、くぐもった声でしか聞き取れない。  さすがに苦しくなってきたのか、軽く胸元を押された。最後にもう一度と、舌の根元を絡めるようにして、離れる寸前まで舌を差し入れたキスを贈る。同じようにこちらへ舌を差し出したまま、口を開けたエリオットさんは、既にとろんと潤んだ瞳をしていた。  酸素が足りていないせいなのか、快感の飲まれたせいなのか定かではないけれど、綺麗な金色の焦点が定まっていないのが、嬉しかった。 「は…ッ、はぁ…熱烈じゃん…?」 「できる限りを尽くさないと、エリオットさんは満足してくれなさそうなので」  虚ろな目をしてるのに、表情は不敵な笑みを浮かべている。売り言葉に買い言葉、思わず口をついてしまった言葉だけれど、エリオットさんは特に機嫌を損ねる事も無く、喉を鳴らして笑った。 「いいねぇ、燃えてきた。ショタの皮かぶったオオカミとか、やっぱお前のギャップ萌えサイコー」 「ありがとうございます」  褒められてるのだろうか…?判断つかなかったけれど、楽しそうにしてくれている限りは、まだ認めてもらえている証拠だ。  止まっていた手の動きを再開しつつ、もう片方の胸の突起へと舌を伸ばす。布の上からつつき、吸いあげて苛めれば、エリオットさんの上着はみるみるうちに僕の唾液による黒い染みを作っていった。  乳首を弄られ声を上げそうな所で、唇を噛み必死になって我慢する姿は堪らなく可愛い。早く、もっと気持ちよくさせてあげたいと思ってしまうのは、僕がこの人の事を好きだからなのだろうか。  服の下へ手を滑り込ませ、撫でるように脇腹から上へと上がっていく。くすぐったいようで、体をくねらせながら悩ましい声が漏れる。びしょびしょに湿らせた布のせいで、ぷっくり腫れ上がった乳首はしっとりと湿っていた。 「んっ…」  頂点を触らないように周りを刺激すると、エリオットさんの瞳は何かに耐えるようにきつく閉じられた。少しずつ中心に向かってゆっくりと優しい刺激を与えていき…ピンク色の中心を前触れも無く、両方一気に摘まみ上げる。 「んあぁ?!」  大きく仰け反ったエリオットさんから甲高い声が上がる。硬くなっているそこを、指の腹で転がすように捏ね回せば、大きく見開いたエリオットさんと目が合った。 「いってぇ…ッ!」 「エリオットさん、少し痛い方が好きですよね?」 「んな、こと…!」 「嘘ですよ、ほら」  引っ張るように刺激を与えれば、絶え間なく喘ぎ声が上がる。ずっと強すぎても本当に痛くて辛いだろうから、強弱をつけて揉みしだけば、先ほどよりも赤みも膨らみを増した乳首の出来上がりだ。  腫れてるせいだろうか、そこを口に含むといつもより温かくて甘い気がした。 「あっ、く、ぁあッ」  舌先で弄って、摘まむように啄んで、吸えば吸うほど、エリオットさんの声まで甘くなっていくのが嬉しい。  ちゅっちゅっと音を立てて夢中で吸っていると、髪を梳くようにして頭を撫でられる。  見上げれば、高揚したまま微笑んでいるエリオットさんがこちらを見ていた。 「んっ、リオがおっぱい吸うとか、反則技…」 「おいひーでふよ」  わざと舌を出してチロチロと舐めあげると、えっろと漏らす声が聞こえる。エリオットさんが喜んでくれて嬉しい、もっと褒められたい…!そんな一心で、僕の唇はエリオットさんの白い肌の上を滑っていく。  下へと降りていくと、お腹の真ん中にある窪みへと行き着く。今までそこを触った事など無かったのだけれど、今日はどうもそこが気になってしまった。  小さく凹んでいるお臍に数回キスをしてから、舌を差し入れる。皺の部分を引っ張るように舌先に力を込めると、珍しくエリオットさんが本気の制止をかけてきた。  ここが弱いのかな?ここまで来て止められるわけもないし、弱い所を見つけたならば、とことん攻めるべきだ。そう教えてくれたのはエリオットさんだし、身をもって知った教訓なんだ…  制止する声を聞き流し、なるべく奥の方をつつくように刺激すれば大袈裟なほどエリオットさんの腰が震える。 「ひッ、あぅ…!」  快感に溺れ始めた声が聞こえ、思わず口元が緩む。そっか、お臍が性感帯なのか。皮が薄いだろうから、できる限り優しく、でも激しく刺激を加えて行く。  そうすれば、お臍のすぐ下で緩く立ち上がっていた物も、みるみるうちに硬さを増して行った。 「そこ、やめ、ろって…!」  本当はもっと舐め続けていたかったけれど、力の抜けきった手で頭を押さえつけ、息も絶え絶えで制止を呼びかけられて、舌の動きを止める。  そうしたら、肩を動かす程の荒い呼吸を繰り返して睨み付けてくる姿に、図らずも興奮した。  この人は本気でやめさせようとしたんだろうか?もしかして、もっとして欲しくてわざとしてるんじゃないかと深読みすらしてしまうけれど…これ以上やったら本当に怒られてしまいそうなので、やめた方がいいかもしれない。名残惜しいけど…。 「ごめんなさい」  素直に謝罪をしてから、ちゅっと軽くキスをし、唇は更に下を目指して進む。  既にきつそうに張っているズボンへ手をかけると、今度は焦らすこと無く下着も一緒に下げる。痛いぐらいに上を向いていたエリオットさん自身が、勢いよく現れた。間接照明に照らされ、先端が反射しているので濡れている事が分かった。  僕のぎこちない触り方でも、しっかりと感じてくれている事が確認出来るこの瞬間が、とても好きだ。赤く腫れて、ビクビクと脈打っているそれを見るだけで、うっとりとしてしまう。 「エリオットさんの…綺麗…」 「ちょ、こら、リオ…!」  気づいたらそう口走っていて、吸い寄せられるように顔を寄せる。いつもは僕の物をエリオットさんが咥えるけれど、反対は初めてかもしれない。  独特なにおいまでも良いにおいと感じて欲情していく。先端から漏れるトロっとした物を舌先で舐め取ると、しょっぱい味がした。 「ふぁ…!ちょ、ほんとッ、」  エリオットさんが出した物だから、残すなんて勿体ない。ぺろぺろと先端を舐めるだけじゃ物足りなくて、ぱくっと口の中へ咥え込む。さて、いつもエリオットさんはどうしてくれていたっけ…?  やってもらった事を思い出しながら、口を動かし始める。根元へ指をかけて、ゆっくり上下をさせながら、口を窄めて吸い上げる。あれ?舌でも確か舐めてたんだっけ?形をなぞるように舌も這わせてみようか…  たどたどしく動かす僕では刺激が弱すぎるのか、エリオットさんの腰が緩く動いた。その度に先端が喉の奥を掠り、嘔吐いてしまう。きっと、その締め付けが気持ち良いんだろう、同じタイミングで甘い声が上がる。 「やめ、リオじゃ、まだ無理だ…!」 「ぅぇ…ッ、げっほ、嫌です…!」  呼吸をするために、一度口からエリオットさんを出すと、途端咳き込んでしまった。  もうやめさせようと伸びてきた手を払いのけ、再び猛っている物を頬張る。ここでやめるなんて選択肢は無いんだ。  できるだけ再現しようと、歯が当たらないよう注意しながら吸い上げをする。 「ふぁ…、リオ…!」  まだ刺激が足りないのか…?これ以上どうしたら良いんだ…技量不足の自分が情けない。  かくなる上は、奥の手だ。  舌へ魔力を集中させ、それをエリオットさんの中へと送り込む。治癒の効果はすぐにでたようで、突然大きく体を震わせると、一気に力が抜けていく。  治癒をかけながらも、口と手の動きの速度を上げていけば、エリオットさんから高めの声が漏れ始めた。 「あっ、ひきょ…、あぅ、だ、ぞ…ッ!」  口元が汚れるなんて気にしていられない。はしたない水音をたてながら夢中で激しく吸い上げていたら、腰が突き上げるように上がり、口内へ液体が溢れ出る。  青臭いにおいと、苦みのある粘着質なそれに、吐き出しそうになるのをぐっと堪えた。エリオットさんはこれを飲み込んでいるんだ。僕だって飲み込めるはず。それに、どんなものでも僕が出させた物は全部受け止めたい。涙目になりながら喉へ送り込むと、熱い物が引っかかる。  懸命にそれを飲み込むよう喉を動かし、通り抜け…胃に落ちた瞬間に、体全身に巡るエリオットさんの魔力、そして痺れるぐらいの快感の波。 「げほっ、はっ、んぅ…!」  鳥肌が立つのを感じて、両腕で自分の体を抱きしめ必死にそれに耐える。凄い…いつにも増して、干渉で受ける効果が強い。  普段より治癒を強めにかけたせいなのか、エリオットさんの精液を直に飲み込んだせいなのかは分からないけれど、下半身へ熱が集まって行く。 「ぁ…、ふぁ…、リオぉ…」  達したばかりのエリオットさんから聞こえた、泣き出しそうな声。どうしたのかと、ゆるゆると視線を向ければ、そこには横向きに倒した体を丸め、膝を擦り合わせている姿…  それだけで、次に何を望んでいるのか察してしまい、自分の頬が赤くなるのが分かる。今までだって、それなりに恥ずかし事をしてきた間柄だったけれど、一線を超えることは絶対に無かった。  エリオットさんがあえて避けていたのは分かっていたし、望まないのならばそれで良いと思っていたのだけれど… 「エリオット、さん…」  エリオットさんが更に足を動かして僕の方へ見やすくしてくれた先には、男で唯一受け入れる事の出来る穴がある。  明らかに誘われている動きに、自然と出てきた生唾を飲み込んだ。あえて避けてきた行為を、彼の方から求めてきている…どうしよう、本当に、入れてしまって良いんだろうか?  迷っている僕を見て、エリオットさんから早くと催促の声が上がる。 「もう、だいじょぶ…ほぐしてあるから、早く…」 「で、でも…」 「んッ、入れろって、リオぉ…!」  片腕を膝下へと通して、大きく足を開き強請るエリオットさんは、艶めかしくて、浅ましくて、とっても綺麗だった。  ゆっくりと寄せた腰を下ろす。息を吐き出してから、入れやすいように自身で広げてくれて穴目掛けて興奮しきっている僕の物を押しつけた。  けれど、狭い入り口の中へ入っていかず、抉るようにして滑り出てしまう。 「ぁっ!や…ひッ、」  何度挑戦しても、うまく入る事は出来ずにツルツルと滑り出る。望んでくれているのに、入れてあげる事が出来ないなんて…!このままでは満足してくれない、早くしなければ…!焦れば焦る程、命中率は下がっていった。 「な、んでぇ…!?入れよぉ…っ」  高ぶりすぎた感情のせいか、また目の前が滲む。本当に僕は情けない…どうしてうまく出来ないんだろう…!  何度挑戦してもなかなか入らないせいか、エリオットさんは開いていた足をとうとう閉じてしまった。  どうしよう、見放されてしまった…!そう思ったのも束の間、膝をそろえるようにして、くるりと起き上がると四つん這いになり、腰を突き出すような体勢へと変わった。 「え…?」  訳も分からず目の前に揺れる白いお尻を見つめる。振り返ったエリオットさんは、緩みきった顔で笑った。 「ん、仕方無いから、こっち」 「こっち…?」 「早く…!」  催促するように腰が揺らされる。早くと言われても、どこに入れたら良いんだ…?  悩みながらも太ももの中間ほどに挿し入れようとしたら、もっと上だと指示をされた。閉じられている太ももの間を自身の先端でなぞり上げるように動かす…まるで、僕から溢れているもの擦りつけているようで、ひどく興奮してくる。  上へ上へと導かれ、エリオットさん自身の付け根の部分まで辿りつく。丸く二つ並んで下がっている物の間へと先端が触れると、エリオットさんの腰が動いた。 「ふぁあ…?!」  温かい中へとゆっくり飲み込まれて行く感覚に、声が漏れる。こちらを見ながら腰を更に押しつけてきたエリオットさんは、完璧に干渉へ飲まれてしまったんだろう。はーはーと荒い口呼吸を繰り返し、焦点の合っていない目を細めていた。  完全に根元までエリオットさんの太ももの間へと入り込むと、全体がエリオットさんの物と擦れ合い、気持ちよさに腰が抜けそうだ。 「ぁ、はやく、動いて…ッ」 「はい…!」  エリオットさんの腰を両手で掴むと、恐る恐る腰を引く。少しだけ引いてから奥に押し込む…それを数回繰り返していけば、次第に動きも大きくなっていった。  擦れ合う刺激も、太ももを押し通る圧迫感も、全てが気持ちいい。  パンパンと肌同士がぶつかる音と、お互いの喘ぎ声が部屋に響き渡る。 「あっ、んあ、リオッ」 「んぁあッ、エリ、オットさん…!」 「ああ、すご、素股なのに、きもち…!」 「リオットさん、えり、おっと、さん…!」  何も知らないはずなのに、腰がかくかくと動いて止まらない。本能のままに突き上げ続ける動きに、下にいるエリオットさんが首を振って悶えているのが見えた。  しっとりと汗ばんでいるせいで、頬へ張り付くピンクゴールドが色っぽいけれど…もっとしっかり顔を見たい。腕を伸ばして髪をどかしてみると、それに気づいたエリオットさんが、僕の手へと頬を擦り寄せてきた。 「っ、もう、可愛すぎだ…!」  そう思っていたはずなのに、無意識の内に声に出てしまっていた。  もう、限界が近いせいで何も考えられない、取り繕う余裕も無く、思っていた言葉はどんどん漏れてしまう。 「ひゃっ、あ、かわいいよぉ、えりお、さ…ッ、」 「くぁっ、リオじょーず、あんっ、あ、リオぉ、もっとぉ…!」  会話になんかなってない。それなのに互いの興奮具合はしっかりと伝わってくる。より一層エリオットさんの太ももに力が込められ、とうとう限界を迎えた僕は目をきつく閉じる。  勢いよく吐き出される欲望が飛び散り、数秒遅れてエリオットさんの体も大きく震えた。  ベッドを汚してしまったとか、エリオットさんになんてことをしてしまったんだとか、今更ながらに後悔する気持ちが押し寄せるけど…今は目の前で気持ちよさそうに恍惚に微笑むエリオットさんの顔が見れた事が嬉しくて、可愛くて…そんな些細なことは、どうでも良かった。

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