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9 宅コスその後*

  「ふ…っ、ん…!」  舌がざらつく感覚が気持ち良い。絡んで吸い上げられたら、腰に向かって鳥肌が立つ。それがまた気持ち良くて、もっとキスして欲しくなる。  横並びの体勢だったはずなのに、啓太が俺の足の間に体を入り込ませてきて、腰からぐっと抱き寄せられる。自然と下半身同士があたった。  布越しなのに伝わってきたのは啓太の熱…ついでに硬くなっていくちんこの様子。  こぼれ落ちそうな唾液を飲み込んで、息を整えようとしてるのに、啓太はそれすら許してくれない。離れようとすれば追いかけて、唇を塞がれる。時折漏れる啓太の吐息がいやらしくって、ただでさえキスで感じてるってのに、追い打ちをかけられていく。  ふやけそうな唇と共に、体の力が抜けていくのが分かった。それを察したようで、相手から体重をかけられて体が後ろへと倒れていく。  このまま床に押し倒されようとしたけど、ウィッグの存在を思い出して慌てて肘を突いて体を支えた。 「は…ッ、あおちゃん…?」  やっと唇を解放した啓太が、覆い被さるようにして俺の顔を覗き込む。なんで倒れないの?やっぱりこれ以上はダメ?って、言葉にしなくても訴えてきてるのが分かる。 「ウィッグ、崩れるから…」 「そ、そうだよね…ごめん、俺、盛っちゃって…」 「知ってる」  笑って誤魔化しながら、啓太は押し倒していた体勢から体を起こそうとした。  ここまでしておいて引かせるか…!開いていた足を閉じて、啓太の体を挟み込む。拒絶されていると勘違いしてただけに、積極的な俺の行動に驚いて固まった。  毎日目にしてるソシャゲの主人公。男の俺が見てもイケメンと感じる男が、俺の足の間に挟まってほんのり頬を赤く染めて見つめてきている。ノーメイクの時とは全然違う顔なんだけど、表情はまんま啓太なのが面白い。 「だから、この体勢で、頑張る」 「え、で、でも、つらくない?」 「もっかい」 「え…?」 「もっかい…キスしたい」 「…可愛すぎ」  再び覆い被さってきた啓太の顔が近づいてくる。上を向いた俺の唇が塞がれて、優しく何度も啄まれた。これもこれで良いんだけど…俺がしたかったのは、さっきのヤツ…薄く目を開けると、間近にあった緑と目が合った。エロいって思った目が、細くなって更にいやらしく笑う。  途端に舌が割り込んできて、食らいつくようなキスへ変わった。 「んぅ…!」  キスって、こんなゾクゾクするようなもんだったっけ…?それとも、啓太がキス上手すぎなだけ…?  自分でこの体勢で続けるって言ったくせに、快感で力が抜けそうになる。必死になって肘に力を入れ直したら、露出してる腹に手が這ってきた。  ビクっと体が反応をしたけど、そんなのを気にする事なく、啓太の手は上へとあがっていく。 「ふ…はぁ、」  解放された唇で思い切り息を吸い込む。塞がれてたお陰で声を漏らしてもくぐもってたけど、啓太がいなくなったら途端に、自分から出てるとは思えない声がでてくる。  我慢しようとしてるのに、触られる度に漏れちまう…初めての事に戸惑う。  首元をマーキングするみたいにキスしまくるのが、くすぐったくて気持ち良い。締め付けが緩くなったと思ったら、軍服の前を開けられていて、下に着ていた肌着が捲りあげられていた。 「ひぁ…?!」  手袋をした手で乳首を捏ねられた。自分で触った時は何も感じなかったのに、なんで啓太が触っただけでジンっとするんだ…?!  自分の体の事なのに知らない事が多すぎて…訳も分からず啓太の後頭部を見つめていたら、顔が上がる。  ふわっといつも通り緩く笑うと、頭の位置が乳首まで下りてきて、先端に軽くキスをされた。 「んぁあ!」  その瞬間、腰へ電気みたいな刺激が走って肩が震える。なんで?乳首、こんな気持ちいいはずないのに…! 「あおちゃん、敏感さんだね」 「やめ…!」 「それとも、自分で弄ってたりしたのかな?」  舌先で乳首を転がしながら見上げてくる啓太の質問には答えられそうに無い。連続して与えられる刺激に合わせて、肩が揺れまくってそれどころじゃないんだ…!吸いあげられ苛められたせいで、痛いぐらいに立ち上がっているのが自分でも分かる。  最終的には、乳首を弄るだけで達することができるって書いてあった、ドライの説明。自分でやってた時は、そんなの無理だろって思ったけど、これなら本当にイくところまで持ってかれそうで怖い。  啓太に乳首を弄られる度に、腰がきゅっとして、切なくなってくる。  後ろも弄ってくれたら、もっと気持ち良くなれるのかな…弄ってくれないかな…そんな思いを込めて内太ももに力を入れたら、乳首を弄っていた手が下へと下りて、パンツの紐の部分をなぞられる。  手はそこから更に中心へと移動してきた。男としての物は全部しまい込んでるから、今の俺の股間は何も無い…擬似的に作られた線に沿うようにして、啓太の指が擦り上げていく。女じゃないからそこはただの皮なのに…それなのに、女みたく快感を拾って腰が震えた。 「かわいい…ここでも気持ち良くなっちゃうの?」 「ひゃめ…!」 「あおちゃん男の子なのに…女の子みたい」  スカートのフックが外され、脱がされていく。脱がすために少しだけ移動して、啓太が足の間からいなくなる。そうすれば、女物の下着姿のまま足を開いた状態になって…本当に女みたいな下半身だ…。ぼんやり見つめていたら、片方の紐を外されてタックの部分が露出してしまった。 「ねえ、あおちゃん…俺、辛いんだ…」 「けー、た…」 「ここに入れられないのは分かってるんだ…でも、もう、我慢出来ないよぉ…!」  正直、俺も我慢できそうにない。入れて欲しい。啓太のを、俺のケツに入れて欲しい…!流石に言葉にはできなかったけど、何度も頷いて伝える。そうすると、情けないぐらい泣きそうな顔で、啓太が笑い返してきた。  手袋を外し、ズボンと下着を下ろした啓太の股間からは、反り返っているちんこが飛び出してきた。赤く腫れてるそれを目視して、思わず生唾を飲み込む。  腰浮かした方がいいかな…ローションとか準備してないけど大丈夫かな…咄嗟に不安は思いつくのに、体は一切動かせない。ただぼんやりと眺めているだけだった俺の足を、啓太が掴んで膝から太ももまでを寄せた。そして、くっついた太ももの間へ腰を進めてきて、肉の間をちんこが掻き分け…って、えぇ?!これ、素股だろう?!  想像と違って動揺しつつも、既に先走り液でびちゃびちゃになっていた啓太のちんこが、俺の太ももの間から出てくるシーンをまじまじと見てしまった。  準備してないけど大丈夫かな?!ってなった俺のドキドキを返せって気持ちにもなったけど、ツルツルな股間の上をちんこがゆっくりと出たり入ったりするのは、なかなかにエロい。  おまけに、視線を更に上へと移動すると、眉を寄せて快感に溺れてますって顔をした啓太が飛び込んでくる。この顔を俺がさせてるんだと思うと、なんだか気分が良い。  ちょっとやさぐれた気持ちだったけど、そんなのはすぐに吹っ飛んで、太ももに力を込めた。 「ぅ…!あ、おちゃん…?!」  急に締まったことに驚いたようで、いたずらは成功だ。口の端を上げた俺を見て怒ったのか、もう!と言いながらゆっくりだった啓太の動きが徐々に速度を上げていく。  肌通りがぶつかる乾いた音と、たまに聞こえる水っぽい音、軍服についてる装飾品が揺れてあがる高い音、それからお互いの荒い息。  急所はしまい込んでいて、何も感じないはずなのに…いつの間にか俺も興奮してて、下っ腹あたりがジンジンとしてきた。 「ぉ、ちゃん…!かわい…!」 「ぁ…ッ、ん…!」 「ごめ…、イきそう…!」  太ももを掴んでいた啓太の手に力が入る。強めに膝を合わされて、腰の動きが早まった。ガクガク揺れる体を支えきれずに、片方の肘の力が抜ける。斜めに倒れた所で持ちこたえると、啓太がラストスパートをかけてきた。  中を抉るように太ももの間から入り込んできたちんこから、白い液体が飛び散る。粘度の高い啓太の精液が俺の臍へとかかった。  中に出されたわけじゃないのに、どうしてこんなに中に出された感がするんだろう…不思議に思いながらもテラテラ光るそれへ手を伸ばす。生暖かい液体はすぐに指に纏わり付いて糸を引いた。  目の前まで持ってきたら、独特なにおいがする。これが、啓太の、精液… 「ごめんあおちゃん、掛けちゃ、って何してるの…?!」  無意識だった。気付いた時には、精液に塗れた指先を口に含んでいた。じわっと広がる苦みと生臭さ…上手いもんじゃないけど、啓太のだって思うと嫌な気分にはならない。 「あれ…なんで俺、舐めたんだろう…?」 「いつの間にそんなにえっちな子になっちゃったのぉ…!」  床に落ちてた箱から数枚、乱暴にウェットティッシュを引き抜くと、啓太はせっせと腹の上を拭き始める。手際よく綺麗にしてから、俺の指も拭いてくれたけど、未だに元気よく勃ってるちんこ丸出しのままなのが気になる。 「足の間も拭くね、ちょっと開いて」  言われた通り、足を開くと、啓太の手が入ってきた。太ももからタックの部分をウェットティッシュで拭かれると、ゾクっとした刺激が走る。閉じそうになった足を、綺麗に出来ないよと再度開き直された。自分から股間を見せつけるような格好…さっきからずっとこんな体勢だったけど、改めて見ると恥ずかしい。 「啓太…もういいから、自分でやる…」 「だめだよ、俺が汚しちゃったんだから…あれ…?」  じっと股間を見つめていた啓太が、首を傾げると顔を近づける。 「あぅ?!」  突然、汚れていないはずのケツ穴の周りをウェットティッシュで拭かれて、声が漏れる。そしたら、今度は皺の部分を爪で引っ掻くようにして円を描かれた。乳首同様、アナニーの時に自分でも同じことをやってるはずなのに、他人にされるとここまで感じる物なのか…?!  腰に響くような快感に耐えきれず、とうとう上半身は床へと沈む。横向きだったせいで、俯せになったのは良かったけど…俺が感じてるのをはっきりと認識した啓太は、今度は揉み込むようにして穴を押してきた。 「ひっ、や…!」 「あおちゃん、お尻気持ちいいの…?」 「ちが…!」 「ほんとに?でも、すごい柔らかいんだ…こっちも自分で弄ってたの?」 「ッ、やぅ…!」  周りを撫でていた指が、ゆっくりと中へ入ってくる。何も準備してないし、滑りだって良くないはずなのに…普段のアナニーのせいで、指一本ぐらいは軽く飲み込めるようになっちまった自分のケツ穴が恨めしい…!  くるっと周りを刺激され、弱い所を掠められた。その瞬間、今までに無いぐらいの刺激が走る。大袈裟に腰が揺れて、耐えるように床へ爪を立てた。 「やめ…!け、た…!」 「かわいい…気持ちいいんだねぇ」 「ずれちゃう、から…!」 「ん?」 「ウィッグ…!崩れちゃう、から…!」 「いいよ、それぐらい。いくらでも作り直せるから…」  もう一度弱い所を擦られ、甲高い声が漏れる。くそ、完璧にポイントを把握されてる…!執拗に指で押され、ゾクゾクが止まらなくなっていく。 「ん…!ぁ、やぁ…!」 「ごめん、テープ、剥がしちゃうよ…?」  タックの為に留めていたテープを剥がしていく感覚ですら気持ち良い。朦朧としていく意識のせいで、何をされているのか段々分からなくなっていく…。  ひたすらに、目を瞑って剥がされる感覚に耐えていたら、圧迫感がなくなっていく気がした。 「すごい…あおちゃん、女の子の格好してるのに、おちんちん出てる…」 「ぇ…?」  目を開けて啓太の方を見る。横たわっている体は、片足を立てていて、その間からちんこが飛び出てきていた。  そのちんこに啓太の指が絡んでいて、優しく扱き上げられる。同時に後ろに突っ込んでいた指も動いて、前後から快感が襲ってきた。 「ふ、あっ、ん…ッ、」  啓太の動きに合わせて声が上がって、止められない。すごい気持ち良い…なんだよこれ…!  もっとして欲しいってのが、言わなくても分かったようで、啓太の手の動きが速くなった。くちゅくちゅいやらしい音をたてながら、追い詰められていく。  いつもならもうちょいは我慢できるはずなのに…数秒もかからずに俺のちんこから白い液が飛び散った。

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