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第2話
楽しい話すべきシーンなのに、
昨夜、偶然、
あいつがテーブルに置いたスマホの画面がみえちまった。
なんだその、さなえってのは。新しい女か。この後、待ち合わせか?こんな時間から?ご苦労なこった。
いや待てよ、
なんなんだ一体。
この後、女に会いに行くなら、なぜ来たんだよ。土曜夜の遅い時間なんたぞ、すでに。
つい我慢できなくて
言っちまったんだ。
一言、口に出してみれば、
堰をきったように悲しい言葉が溢れだして止まらない。
あいつは、イヤホン付けて出ていった。
振り上げたこぶしの行き先はなくて
俺はまたウイスキーを煽る。
こんな生活、
こんな思いも
もうたくさんだ…
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