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《確信》

あの日…。 あずまさんの射精の瞬間を見てから… あずまさんを見ながらイってしまってから… ただ欲求不満なだけじゃないって、漠然と分かった気がして… 俺、あずまさんを本当に好きになってると思う。 あずまさんは同性で、何歳も年上で、優しいおじさんで、そんな人を好きになるなんて普通じゃない… けど、色んなことから、あずまさんを守ってあげたくて。 出て行かれるなんか絶対嫌で… このまま二人で暮らしていきたいって、本気で思ってる。 けど、あずまさんは、この気持ちは欲求不満が原因で、寂しさを勘違いしているだけっていう。 それが、だんだん辛くなってきた。 好きなんだよ、あずまさん。 俺、どうしたらいいんだ…。 『同性を好きになる』 『男同士』『同性の愛し方』 暇さえあれば検索してしまうようになった。 関連でBLと言う言葉がでてきた。 ボーイズラブ、男同士の恋愛。 そして、アナルセックス。 男同士でも愛し合えるらしい。 俺は… あずまさんのこと好きだけど、あずまさんをどうしたいのか… ただ一緒にいて、あずまさんの笑顔を見ると安らげるし、話をしたら楽しい。 けど、やっぱりふとした瞬間に抱きしめたくなるし、キスもしたい、触っていたくて、エロい顔も見てみたい、あずまさんと…えっちなことをしたいんだ。 いつも穏やかで物静かなあずまさんが、エロくてグズグズになるところを見てみたい。 「…ヤバイ」 そう妄想しただけで身体の中心が硬くなってしまう。 身体はあずまさんを求めている? あずまさんのエロい姿を妄想して勃ってしまう身体。 でも、この想いは、俺の一方的な想いで、あずまさんは俺をそういう意味で好きになっていない。 だから、たとえ好きだとしても…、その想いが押し付けになったらいけないし。 そもそも、本気だって信じてももらえない状態… 「はぁ、」 悩んでいることが複雑すぎて… 大きなため息がこぼれてしまう。

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