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《妄想して》
「この手じゃ、上手く出来ないから…目を閉じていてくれ、そして想像するんだ、君の理想の女性を…」
「あずまさん…、っ!」
あずまにソコを触れられている。
そう思うだけで、ぞくぞくっと震える感覚が走る。
「これをしているのは私じゃない、君の理想の女性だから…」
そう囁くと、あずまは自分の口の中を綺麗にするためがシャワーの水でうがいをして、そのまま俺の中心を咥え込む。
「っ!…ッ!」
膝立ちで視線を下げて、顔を見せないように硬くなった肉棒をしゃぶっていく。
あずまの思わぬ行動に、ドキリと驚いたが…
立ったまま、その快感を受けて、ドクドクッと鼓動は速まり、熱い想いが駆け巡る。
「っん、ハァ…」
普段、俺が妄想していることが目の前で…
堪らなくなる。
あずまさんっ
そっとそのしなやかな髪を撫でながら、あずまを見つめる。
決して視線は合わないが…
曲がりにくい左手で根元を挟み摩りながら、先を、あずまの口腔内で激しく擦り合わされる。
「ん、ぁ…、気持ちいい、ハァあずまさん…っ」
「…敬大くん、目を閉じて…」
「嫌だ、あずまさん、好きだ…ハァ」
つい想いが口から零れ出る。
「……」
しゃぶられ唾液を啜り上げる淫らな音が風呂場に響く。
「っ、あずまさん、俺、も…イきそ、ッ」
気持ちよくて…
あずまの唇が自分を飲み込んでいる。
ソコを、あずまの口の中に入れてると思うだけで快感は何倍にも膨れ上がる。
「っ、くッ!」
ぴゅくびゅくっ!と促されるまま解き放たれた精液があずまの口腔内を満たす。
「ハァ、あ、ごめん、口の中に…」
「…大丈夫、ちゃんと妄想しないと駄目だろう」
口角に滴る白液を右手で拭いながら、そう微笑むあずま。
「妄想なんか必要ないっす、ありがとう…あずまさん」
膝を折り、ぎゅっとあずまを抱きしめながら囁く。
「少しはスッキリしたか?」
「うん、」
「良かったな」
そう優しく微笑むあずま。
それからあずまは風呂で俺が勃ってしまったら、口でイかせてくれるようになった。
そうすることでそれ以上の欲求はとりあえず収まって、抱きしめたりキスしたりする程度の関わりのまま、落ち着いていた。
もうこれ以上、なんて望めない。
あずまとの生活が壊れるくらいなら、ずっとこのままでいい。
それくらい、あずまと一緒に生活できる幸せは尊いものだった。
これからも、あずまとの生活が続いていくと、安心していたのに…。
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