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第5話

「んっ……ん、ふ」  薄っすら目を開ければ、身を屈めて懸命に俺自身に奉仕するユキの姿が見える。猫耳を揺らしながら、舌先を尖らせるようにして舐め上げ、先端に吸い付き、そのまま奥まで咥え込む姿は、やっぱりどこか現実味が乏しくて。  なによりそんな奥まで咥えているくせに美人が崩れていないとか、反則じゃないか。  そんな思いのこもった視線が刺さったのか、ユキがふと目を上げてこちらを見てきた。そして目が合った瞬間、見つめる眼だけで微笑まれて一気に下半身に熱が集まった気がした。 「んっ」  ぐんっと反り返ったモノが口から外れて、ユキが弾かれたように顔を離す。だけどすぐにまた微笑んでそっと手を添えた。 「良かった。元気になってくれて嬉しい」  本当に嬉しそうに笑うユキに、こちらが恥ずかしくなって目を逸らす。  なんでこんなおかしな事態になっているのに問答無用でこいつを追い出さないか。そんな単純な事実に今頃気づいた。  好みのタイプの顔だから。それだけの、単純だからこそどうしようもない真理。  男だとわかっていても綺麗な顔に微笑まれて、猫耳姿で奉仕されたら細かい理由なんてもう些細なことだ。人間になった猫でも雪の精でもなんでもいい。 「な、なあ、もう……」 「もっと良くさせたいから待ってて……にゃん」  なぜか口で咥えるのをやめ、指と唇で焦らし始めたユキを急かすように声をかけると、ユキは体を起こし、そのまま俺の上に跨ってきた。いつの間にか下を履いていなかったせいで明らかな男の印が晒されているけれど、それを見ても萎えることはなかった。それよりも、その意味に気づいてより自らの硬度が増した気がする。 「ユキ……」 「ん、にゃ」  俺の呼びかけに応えるように小さく鳴いたユキは、そのままゆっくりと腰を下ろした。ぐちゅりと濡れた音とともに、先端が熱く濡れたものに迎え入れられる。  だいぶきつい。これ以上進めるのは無理じゃないかって狭さだけど、ユキは深く呼吸をしながら小さく腰を揺すり徐々に奥に飲み込んでいった。  少しの間黙ってその様子を見ていたけれど、すぐに焦れったなって軽く下から突き上げてやる。するとその瞬間腰を下ろしたユキの動きと合わさって、一気に飲み込まれたそれが奥に届いたようだ。 「う、あっ!」 「はあ……」  びくんと体を跳ねさせたユキが、背を丸めてベッドに手をつく。足が震えているところを見ると、いいところを突いてしまったのかもしれない。  こちらはこちらで襲い来る射精感を逃すために荒い呼吸を繰り返し、なんとか波をやり過ごす。今暴発するのはさすがに格好悪い。 「ヨージの、おっきくて、すごく熱い、にゃん」  そんな風に必死で堪える俺をよそに、ユキはうっとりとしたような声で熱い吐息を漏らす。  下から見上げると、髪に隠れたカチューシャ部分がまったく見えないから、本当に猫耳が生えているかのようだ。  白い猫耳と白い髪と白い肌。陶酔したような綺麗な顔。それはまるで夢みたいな光景で。  ……本人にそのつもりがあるのかは知らないけど、俺はしっかり煽られた。

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