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第2話

 突然だが、俺は丼ものが好きだ。 何故だかこの学園の食堂には丼ものが充実しており特集メニューが組まれる程にある。あの地獄の様な歓声を乗り越えたご褒美である。  今日は久しぶりに海鮮丼にしようかな。学校のランチに刺身の生モノは無いと思うが何せ此処はお金をふんだんに使った施設がとてもずば抜けている学園だからなんでもありなんだろう!  姫蘭はいつもの様にアサリのパエリアに本日のデザートプリンアラモードを注文していた。  料理が来るまでの時間姫蘭と世間話をしていたら再び大きな歓声が聞こえた。姫蘭と目を合わせるとお互いにうなずく。そう、ラスボスどもが現れたのだ。  「会長様ーかっこ良すぎます!」  「千秋様美しすぎ!」  「七瀬様ステキー!今日の夜お供してください~」  「雪様、星様かわいー」  なるほどやはりあの書記先輩は居ないとは、お昼寝か武道場か。  まぁ、生徒中の人気者生徒会の皆様の登場により食堂はまぁ湧き立つ事。とってもうるさい。耳栓して無ければ細く破れて耳から血が流れているところでしょう。叫んでる人ら強し。  「お待たせいたしました。海鮮丼とアサリのパエリアでございます。」  「旅人さん、有難うございます」  日常茶飯事とかしているこの騒動に一切の動揺を示さずににこやかにこちらへ注文した料理を運んできたウェイターの鈴村旅人さん。とっても笑顔が素敵な爽やかジェントルマンです。大人になったら旅人さんの様に爽やかーに器用に仕事をしたいな。    「あ、なんか副会長周りキョロキョロしてるよ。」  俺が贅沢三昧海鮮丼に目を奪われていた所入り口に居た生徒会軍団が怪しい行動をしていたらしい。(副会長だけだが)  肩口まである艶々の黒髪は今日もサラサラでキョロキョロと何かを探すたびに風で髪がなびいている。  いつもその整った顔を何か胡散臭そうな笑みを浮かべ表面上は優等生な副会長ー千秋紫央ーは何故か未だかつてないほどの笑みを浮かべていた。  一方周りの一般生徒は激レアな副会長の笑みに阿鼻叫喚していた。  大丈夫ですかー?  「どうしたんだろうね副会長さん」  正直あの人が何を探そうが興味はIミリも沸かない。それよりも海鮮丼!  子供舌だの言われようが俺は1番マグロが好きだからこの真っ赤に輝いているマグロを見たら涎が止まらなくて止まらなくて!    「頂きまー  「居ました!悠ー!」  俺の頂きます音頭を邪魔した副会長は目の前の席に座っていた転校生に向かっていた。  なんでこんなに近くにいたんやい! 食べるタイミング考えて!  「悠、今朝ぶりですね!」  「げ、副会長さん」  「げ、とはなんですか。君と私の仲でしょ?名前で呼びなさい悠。」  なんか転校生嫌がってるのに副会長さんグイグイくるな。あぁ、哀れな転校生よ。あ、今口の中でマグロとろけた。うますぎる!流石金持ち学校。これ絶対いいところ出身だよ。  「副会長さん、悠困ってるからやめてあげてください」  同じクラスの爽やか少年こと佐久間陽太が必死に転校生を庇っている。そう言えば担任から世話を頼まれていたな。もう1人のお世話係の委員長である木戸八雲は佐久間とは反対の隣に座ってこの騒動に関して無関心のようで食事を続けていた。  というかこの席一体身内が揃ってたんだ。お昼が楽しみ過ぎて気づかなかったわ。『ッチ』  …へ?なんか俺の隣から舌打ち聞こえたんですけど。君ですか姫蘭君? 「早く食べないとお昼終わっちゃうよ?」 表面上はニコニコと可愛らしい笑みを浮かべているがこれは怒っている! 何故わかるかって?幼馴染だからだよ!  「なーに、しーちゃんこういうのがタイプなのー?」  何故か怒っている姫蘭から寒気を感じ箸を運ぶ手を早めていた所矢鱈と語尾を伸ばした髪を金に染めネクタイはせず第二ボタンまであけチャラチャラした男が来た。しかもそのだらしない格好が様になる整った容貌が実に腹立たしい。  「あ、ケンケンにお姫様じゃん。ヤッホー」  うわ、気づかれた。ニッコリ100点満点な笑顔を浮かべ此方に手を振ってくる。無視だ無視!このチャラ男はモデルの仕事もしていてとんだプレイボーイらしいからね!何処の可愛い子ちゃんとやってるんだか!その自慢な金髪ハゲてしまえー  その後他の生徒会メンバーもわらわらと集まってきたがお姫様と呼ばれた隣の姫蘭の黒いオーラが強くなった為食堂を出る事にした。

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