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第3話
はーい。転校生に絡んでいる生徒会メンバーから脱出しました俺たちはクラスに戻りました。そして姫蘭の表情はいつもの様な可愛らしいのになり安心ですマル
自席に着くなり背の高いまるで王子様の様な人が立ち塞がる。
「あ、健吾くん!食堂での転校生たちの絡み見た?」
「少しだけ見たけど、食堂での事知ってたの?」
爽やかスマイルと言ってもスポーツマンの佐久間陽太とは違いとてつもなく甘い笑みを浮かべるこの男柴崎忍、通称王子は生徒会長親衛隊隊長兼生徒会親衛隊総長をしている。
イケメンがイケメンを心酔とは。どちらも男だがそこに男特有のむさ苦しさはなく、むしろ神聖ささえ伺え実に絵になる。…どうせ顔なのだ。はぁ。
彼は献身的に生徒会を支えているのだがどうもメンバーに受けが良くない。風紀の情報通に聞いた所妄想が激しすぎてメンバーは霹靂しているらしい。優秀な男だけに残念と語っていたっけ。
自分が余り好かれていないことに気づき極力表に出ずに支えることにしたらしく食堂を始め生徒会と一般生徒が遭遇する場は余り行かない。それなのに何故食堂の件、先程起こった否今も起こっているであろうことを知っているのか。
「他の親衛隊の子達が報告してくれたんだ。転校生がついに来たから絶対起こるって信じてたんだ!本当は生で見たかったんだよ!でも万が一にでも関わってしまったら…矢張り腐男子は傍観者に徹するべしだよね」
忍くんは偶に興奮するといつもの爽やかスマイルを浮かべ早口でまくし立てるかの様に喋りまくる。こうなったら誰にも止められないのだ。
「それに知ってる?朝転校生を案内したのも副会長だし気に入ったってずっと手を繋いで歩いてたんだよ!いや、ここはキスしろよ!それにウザ非王道タイプじゃなくて本当に良かった。じゃなかったら健気チワワとかも変に巻き込まれちゃうもんね。それに食堂のことでしょ?もう完璧な王道だよね!あ、でも担任フラグはまだだ。でもそこは健吾くんがカバーすればいいもんね。転校生総受けに健吾くん総受けか。デュル危ない、よだれ出る所だった!放課後の二者面談頑張ってね!でねまだこれからもストーリーは続いててね次の攻略はねーーーーー
止まらない止まらないミサイルを目の前で放っている若干目が迸ってる。怖いよ。王子って呼ばれてるけど残念王子とも呼ばれている側面はきっとここなのだろう。
話している大半の内容は理解が難しくもうやめて欲しいので助けを求むべく斜めに座る幼馴染様氷川姫蘭を見ると呆れた顔をして横に頭をふる。
そう。幾ら最強幼馴染でも残念王子を止めるのは不可能なのだ。
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