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きっかけー②
・・十数分後・・・・・
「やほー、冬真ちゃん!元気してる???」
「うるせーぞ、おかま!朝からギャーギャー騒がしい!!」
「やーん、冬真ちゃーんこわーい」
「・・・キモい・・・・・・」
腰をクネクネさせながら言うものだから、気持ち悪さを感じてしまった
ハァ・・・とため息をつきながら、そさくさと歩き出す
こいつは 来巻 尚(くるまき なお)というオネェである
俺のマネージャーだ そして以前は俺と同じ仕事をしていたらしい
詳しいことはよくわからないが何かあり、それが原因で仕事をやめたらしい
まあ、尚が話したくなさそうにするから、俺も聞かない
話して欲しいとは思うが、多分話してはくれないだろうな・・・
あと、あんな会話してても仲良しだからな!!!
「冬真ちゃーん!待ってよー!> <」
尚は腕を横にふり、足は内股にしながら走ってくる・・・
「おい・・・、やめろ・・・、お前それマジきもい・・・
走るなら普通に走れ・・・、というか歩いてこっちにこ<冬真ちゃん前!!!>え?ブヘッ・・・」
尚の言葉に前を向こうとすると、誰かにぶつかり情けない声がでる
「す、すみません!!」
慌てて前を向き、一歩下がり思いっきり頭を下げ、謝る
後ろを向きながら歩いていたため、前から人が歩いて来ていたことに気がつかなかった
「平気だよ、だから顔上げて?君の方こそ大丈夫?」
「だ、大丈夫です!すみませんでした!」
一度顔を上げ、すぐ頭を下げる
顔を上げた一瞬で見た顔はキラキラしていた
・・・まるで王子様のように
・・・??え?どっかであの顔見たことあるような・・・・・・
テレビは基本見ず、外へ出かけることもあまり無かったため、
見たことがある顔というのは珍しい・・・
うーん、思い出せない
「ほら、顔上げて?ね?俺は平気だから」
「あ、はい、これからは気をつけます」
一言述べ、一礼し、その場を離れる
尚はというと、俺と同じく頭を下げてから俺の隣に来ていた
「ん もう!前を見て歩かなきゃじゃない!」
「いや、元はというと、お前が気持ち悪い走り方してくるからだろ?」
「何よ!ただ、私は浜辺でやる恋人ごっこがしたかっただけじゃない!」
「はぁ?気持ち悪いこといってんじゃねー!
てか、ここでするな!!!時と場所を考えろ!!!」
とお互いブツブツ言い合いながら楽屋へ向かった
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