7 / 11

きっかけー④

「終わったああああああああ!!!」 楽屋へ戻るとすぐに椅子へ向かい、全力で伸びをする 「おめでとう!さすが、冬真ちゃんね!!」 「ふん、当然!この俺が負けるわけないだろ?」 フフンと得意気に手を腰にあて言う 数秒後にピン留めをとる これが仕事モードが切れる合図 「にしても、今日は気合いはいっていたわね いつもは楽屋に入ってからピン留めつけるじゃない?」 尚の言う通りいつもは楽屋に入ってから髪を整える 「た、ただの気まぐれだよ?特に深い意味はないよー」 尚から目をそらし、明後日の方向を向きながら言う  言えない・・・  昨日のことを紛らわすためだなんて口が裂けても言えない!!! 「なんか、怪しいわね・・・ まあ、いいわ・・・ ずっと思っていたのだけど、冬真ちゃんって本っ当に普段と仕事モードのときとキャラが変わるわよね 一人称も“僕”から“俺”になるし、言葉使いも全然ちがうわ 仕事モードのときは本っ当に生意気で口が悪いわよね・・・ 私、約1年もあなたのマネージャーやっているの未だになれないわー」 「はは、確かにそうだね 僕も自分で本当に僕か疑いたくなるときあるもん」 「やーもう!こっちの冬真ちゃんの方が好き♡可愛いわ!んもう!」 尚は抱きつき、頬擦りしながら言った 「や、やめてください・・・ いくら尚さんがちゃんと剃っているとはいえ、髭がジョリジョリします・・・・・」 「ちょっと!毎朝ツルツルになるまでしっかり剃ってるわよ!!! だから、そんなにジョリジョリなんてしないはずよ!! んもう!冬真ちゃんの天然をここで使わないで!!! 怒れないじゃない!」 と言いつつも、プンプンと右頬を膨らませながら怒る その姿はとても可愛いらしい 尚さんはすごく綺麗で、可愛くて、同じ男だとは到底思えないし、本当に工事をしていないとも思えない まあ、工事はしてないので下にモノはあるが、本当に有るのか疑うほどだ 「じゃあ、僕はそろそろ帰りますね お疲れ様です」 「はーい、ごめんね?本当なら送るんだけど、今日は上に報告する日だから・・・ 気をつけて帰ってね」 「大丈夫ですよ 尚さんこそ、気をつけてね」 そう言って楽屋を出た

ともだちにシェアしよう!