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浩也にとってはただベットへと運ぶだけの行為だが、日向は間近に感じるしっかりとした腕や整った顔立ちに、ドキドキとして頬を真っ赤に染めてしまう。そんな日向を見て、浩也は不思議に思っていた。
――初対面に近いのに、こんな事まで許した挙げ句、なんで持ち上げたくらいでそんなに嬉しそうな顔するんだ?
『本当の笑顔を見たい』
なんにも知らない癖にそんな分かったようなことを言う日向へと、腹を立ててている筈なのに、目が合うと、その黒い瞳に吸い込まれそうになる。
浩也はその感覚から、無意識のうちに目を逸らした。
「俺は、セックスは男も女もイケるけど、恋人は女と決めてるから……だからもちろん矢田部ともセフレ以上はない」
告げればコクリと頷く日向に、満足気に微笑んで見せる。そして中断してしまった行為を再開させる為に、自分もベットへと上がった。
***
「手首、跡になってる」
仰向けに横たわる日向の手首を持ち上げて、浩也が呟く。見ると手首は赤くなっていて、月曜日までに消えるか日向は心配になるが、そんな気持ちを読み取ったかのように、
「これくらいなら二、三日で消えるから大丈夫だ」
と告げられ、安堵のため息を洩らした瞬間、
「っっひっ! 」
一息つく暇もなく、ローションで濡れそぼったアナルを後ろ手に探り当てられ、躊躇う事無く長い指を差し込まれた。
「ひぅっ! 」
先刻の行為のせいもあり、痛みはほとんど無かったが、気持ち悪さに声が出てしまう。
「まだ狭そうだな」
指を一旦引き抜かれ、起き上がるよう指示を出されてそれに従う。それから、仰向けに横たわった浩也を、逆さまに跨ぐように言われ、四つん這の体勢を取らされた。
「こっち解すから、俺の舐めて大きくして」
言われて少し戸惑うが、頷くしか道はない。今、日向の目の前に浩也のペニスがあり、自分のアナルは浩也の指に犯されているのだから。
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