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 ――歩き方、変じゃなかったかな?  結局、腹を壊して熱をだし、土日はベットの中で過ごした。排泄のたびに切れたアナルが酷く痛み、今は出血こそ無くなったけれど歩いたり座ったりするとシクシクと中が痛む。  日曜の夜に熱が引き、ようやくぐっすり眠れた日向は今朝寝坊をしてしまった。  本当は、学校を休みたいくらいだるかったけれど、来なければならない理由があるから、重い体に鞭を打ち、懸命に歩いて登校したのだ。  ――送られてきた写真、消してもらわないと。  そう考えて来たものの、どうしても視線を浩也に向けることが出来ずにいた。  もしも目が合ってしまったら、どんな表情をすればいいのか分からないし、話すといってもどうやって彼に話しかければいいのか分からない。  ――それに……。  今まで一度も話しかけた事など無いから、いきなり自分が声を掛けたら、迷惑になるのではないだろうか? 「日向ぁ、行くぞ! 」  考えに深く耽っていたが、名前を呼ばれ我に返る。どうやら、悶々と悩んでいる内に午前の授業が終わったたらしい。  見ると、ドアのところで亮と佑樹がこちらに向かって手招きをしていた。 「ごめん、今行く」  今日は流石に弁当を作れなかったため、コンビニで買った袋を手に日向は二人の元へと向かう。そして――。 「ヒナ」  廊下を歩きだしたところで後ろから掛かった声に体がビクリと反応し、驚きの余り息が詰まった。  振り返れば、少し後ろに浩也が立っている。  矢田部では無くヒナと呼ばれた事に激しく動揺し、なかなか返事ができない日向を特に気にする様子も無く、浩也はこちらへ近づいて来た。 「ごめん。ヒナって呼んでもいいって言ってたから呼んだけど、嫌だった?」  心配そうな表情を浮かべる浩也がなぜ……そんな事を言うのか分からない。  酷く混乱しながらも、佑樹や亮の目もあるからと考えた日向は咄嗟に話を合わせる事にした。 「いいえ、ビックリしただけだから」  なんとか言葉を絞り出せば、安堵したような表情になる。 「なら良かった。今日一緒に帰る約束なんだけど、放課後先生に手伝い頼まれたから、終わるまで待っててもらえないかと思って」  思いもよらない浩也の言葉に頭の中が真っ白になった。

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