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「何を驚いてんだ? 北井が行けるなら日向も行くだろ?」 「あっ……うん。行くよ」  亮に問われ、慌てて返事をしながらも、心の中は驚きで一杯だった。なにせ、浩也がクラスメイトからの遊びの誘いに乗ったのを初めて見たのだ。  絶対に断ると思っていただけに驚いたけれど、理由はどうあれ初めて普通に遊べることが、日向にとっては単純に嬉しい。  亮は社交的な性格で、クラスの中でもわりとみんなと仲良くやっているのだが、佑樹は仲の良い人としか関わらない。亮が言うには人見知りが激しいそうで、日向をすぐに受け入れた事には幼馴染みの亮でさえ驚いたらしい。  亮は浩也とも普通に会話をする仲だから、日向が浩也と帰るようになってからは、方向も一緒だから四人で帰ればいいといった提案をしてきたが、佑樹が良い顔をしないので言わなくなった。  そんな佑樹が、夏休みに会えないからと誘ってくれただけでも日向にはとても嬉しいことだったが、四人で一緒に遊ぶことを了承したのには驚きを隠せない。 「ずいぶん佑樹になつかれたよな」  亮が笑顔を向けてくる。  日向がぼんやりしているうちに、浩也は亮と打ち合わせを済ませ自分の席へと戻ったようで、佑樹もすでにその場にいなかった。 「そうなのかな。でも、誘って貰って嬉しいよ」 笑顔になって答えれば、 「これで佑樹が少しは北井に慣れてくれればいいんだけどなぁ」 ため息混じりに亮が呟いた。

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