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――なに? なんか……変だ。 「うぅっ」  ぼんやりとそう考えた時、いきなりペニスが引き抜かれ、解放された唇からはたまらず(うめ)き声が漏れた。  刹那、顔に濡れた感触があり、日向は小さく身震いしながら浩也が自分の顔へと精を放ったことを理解する。  無意識のうち、日向は浩也のペニスへそっと手を添えると、今まで教え込まれた通りその先端へと唇をつけ残滓を啜った。 「よくできました。そのままそこに座っていいよ」  頭上から響いた浩也の声に、ハッと我へと返った日向は慌ててペニスから口を離す。  示された場所は靴を履く時に使用するための長椅子で、日向は慌てて自分の制服を拾おうとしたが、それは許して貰えなかった。 「そのまま……だ。ヒナ」  冷たい瞳に見つめられれば逆らう気力も持てなくなり、彼の精液で汚された顔を拭う事すら出来ないまま、日向は椅子へと浅く座る。 「待たせて済まなかった。どうぞ」  そして、玄関へ向け浩也が言葉を発した時、ようやく全ての状況が分かり羞恥に体が熱を帯びた。 「最初から見せるつもりだったろ。まぁ、面白いものが見れたからいいけど」  知らない男の声が聞こえ、消えてしまいたい衝動に強く駆られた日向は瞼を閉じて(うつむ)いた。  そのまま…… 近づいて来る気配に体を震わせていると、頭の上から声がかかる。 「浩也の舐めて気持ちよかった? 君の可愛いやつも勃ってる」 「……えっ? 」  指摘に思わず目を開けば、目線の先で自分の性器が僅かに大きくなっていたから、日向は慌てて手で隠した。 「なん……で? 」  今までに無い反応に、日向は酷く動揺する。 「感じたんだろ?  いいよ、そこでオナニーしても。見ててあげるから」  更にかけられた意地悪な言葉。  首を振って否定をすれば、クスクスと笑う声がした。 「その辺にしとけ、セイ」  二人のやり取りを見ていた浩也が口を挟む。

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