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「ヒナ、下に降りて」
耳許で声がする。
夢中になって浩也の指を舐めしゃぶっていた日向だが、命じる声に操られ、ゆっくりとした動作でソファーの下へと降りて跪 いた。
上気して赤く染まった頬と、黒目がちの大きな瞳が艶を帯びて潤んでいる。
淫靡な姿に浩也の体は昂りを覚えるが、欲情を抑えて口角を僅かに吊り上げた。
「もっと顔を上げろ」
命じる声に素直に従い上を向いた日向の首へと指を這わせ、浩也が喉仏 を摘 む。
「これが無ければ女でも通用しそうな顔だよな」
そう言ったあと、側に置いてある袋の中から取り出したのは革製の黒い首輪だった。それを日向の細い首へと手際よく嵌めてしまう。
「黒より赤の方が似合いそうだ。少しゴツいけど、まぁセイの趣味だから仕方ない」
「なんで、こんなことするの?」
「そのうちに分かる。よく似合ってるよ……ヒナ」
はぐらかすような言葉を返した浩也もまた、黒のバスローブを身に纏っており、少し乱れた胸元からは鎖骨が見える。初めて見る色気を帯びたその姿に、日向の心臓はドキリと跳ねた。
***
「……くぅっッ、うぅぅっ……ふぅっ」
静かな部屋には日向の呻きとモーターの音が響いている。
ベッドの上へ移動するなり拘束具を取り出した浩也は、慣れた手つきで日向の手首と足首へと革製のベルトを嵌め、さらに右手首と右足首、左手首と左足首を鎖で繋いで拘束し、そこから伸びた短い鎖を首輪へと繋いでしまった。
だから今、日向の格好は仰向けで、尻を浩也へと晒すような状態だ。
そんな日向のアナルの中へとローションを注入し、迷うことなくバイブを突き立てスイッチを入れてしまった浩也が、それをゆさぶるたびに日向の口からは苦悶の声が漏れる。
「なかなか勃たないな」
呟く声に瞼を開けば萎えた自身が瞳に映る。
拘束された体が苦しくて、こんな状態で勃つなんてことはありえないと日向は思った。
「……この辺か」
だけど、その考えは間違えだったと、次の瞬間その身をもって知ることになる。
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