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「っああぁっ! ……ひぅぅ!」  浩也がバイブの出力を上げて更に角度を変えた刹那、敏感な場所を先端が掠め、体の芯が痺れる感覚に手足がビクビクと痙攣した。  首輪と手足とを繋ぐ鎖がカシャカシャと音を響かせる。 「()いところに当たった?」  意地の悪い笑みを浮かべる浩也に返事をできずにいると、さらにバイブの振動を強め弱い場所へと押し付けられた。 「っひッ!やぁ――!」  目を見開いて手足を動かす日向のペニスは、先程とは打って変わって勃ち上がってしまっている。 「気持ちいい?」  答える余裕も無いという事を分かっていながら、バイブを持つ手をグリグリと回した浩也が囁きかけてきた。 「……ぃやぁっ! もぅいやッ!」  ガシャガシャと音を立てて暴れても拘束された体はほとんど動かない。過ぎた快楽に涙が溢れ、日向の頬をとめどなく濡らした。  初心者を普通のセックス……しかもアナルだけで感じさせるのは難しい。  だから浩也は手っ取り早く道具を使って愉悦を刻み込もうとしているが、日向には知る(よし)もなかった。 「おねがい……抜いてっ!」  寸断なく背筋を這い上がる強い疼きと痺れを伴う感覚に、わけが分からなくなった日向は必死に懇願するけれど、浩也は全く取り合ってくれない。  そして――。 「上手にイケたら抜いてやるよ」  涙を流して喘ぐ日向の鼓膜へと、浩也の声が残酷に響いた。
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