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「シャワーと洋服、ありがとうございました」
リビングへ戻りソファーに座る浩也に向かってお辞儀をすると、「ああ」と短く答えた彼が手招きをした。
浩也に渡された洋服は、サマーニットにジーンズという組み合わせで、サイズもちょうど良く着心地がいい。
これならば、真夏に長袖を着ていてもさほどおかしくないし、手首の跡も隠せるけれど、問題は首だった。
「座って」
命じられ、いつものように彼の足元へと跪 くと、頭上からクスリと笑う声がする。
「ソファーにって意味だったんだけど……ヒナはまだ咥 え足りなかった?」
意地悪な彼の質問に、恥ずかしくなった日向は慌てて立ち上がろうとするけれど、そのままでいいと浩也に制され結局再び床へと座った。
――だって、いつも座れって言ったらここだから。
頬を赤らめて心の中で言い訳をしていると、頭の上から声がした。
「首、包帯巻くから顔上げろ」
見上げれば、浩也の手には太い包帯が握られており、それを手際よく日向の首へと巻き始める。
「不自然だけど、結構太い首輪だったから他に隠しようがない。流石にハイネックは着れないだろ? まあ、リボンでも似合いそうだけど」
「包帯がいいです」
リボンは勘弁して欲しいと思った日向が慌てて言うと、浩也が口許だけで笑った。
「お盆まで、どこにも行かないのか?」
「はい、勉強しないといけないから……食料品の買い出しくらいであとは何も無いです」
「そうか。とりあえず今日は送って行くから、帰りながら食料品を買えばいい。家に帰ったら痕が消えるまでなるべく外には出るな」
「あのっ、一人で帰れますから」
迷惑をかける訳にはいかない。と、思った日向がそう告げれば、包帯を巻き終わった浩也が指を胸元へと移動させ、ニット越しに胸の尖りをグリグリと押してきた。
「っあぁっ」
その瞬間、背筋を愉悦が這い上がり、小さな喘ぎが漏れてしまう。
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