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「……なんで?」
「ずっとやってたから感じやすくなってる。こんな状態で一人で帰すのはまずいだろ? 流石に家からの帰りに何かあったら寝覚めが悪い。分かった?」
本人が気づかないだけで、今の日向は艶と色気を纏っており、かなり危うげな雰囲気だ。
とはいえ日向は男だから、このまま一人で帰したところできっと問題はないだろうが、無理をさせた自覚はあるから途中で倒れられても困る。
日向の体に快楽を刻み込んだのは自分だが、出会った頃と今との違いに、満足感を覚えると同時に少しの苦い感情が芽生えた。
一方の日向はといえば、自覚も無いまま変わってしまった自分の体が不安になるが、考えても仕方がない。痕が消えるまで外には出るなと浩也が言うなら、その頃には落ち着く筈だと自分自身に言い聞かせる。
「行くぞ」
「あ、はい」
浩也に呼ばれ、慌てて後をついていく日向だが、過酷な扱いを受けた部屋を出ていくことに、安堵と共に少しの寂しさを感じていた。
昼食を食べていなかったから、まずは近くのファーストフードで食事をする。それから、日向の食料品を買うためにスーパーへと移動して、店を出る頃には6時を少し回った時刻になっていた。
陽は西へと傾いているがまだ明るく、汗ばむほどの暑さだったけれど、長時間エアコンの効いた室内にいた日向にとっては蒸し暑ささえ心地良く感じる。
隣を歩く浩也を見ると、いつものように涼しげな表情 をしているが、その首筋にはうっすらと汗が滲んでいた。
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