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「……寝た……か」  腕の中で静かな寝息をたてはじめた日向を見つめ、浩也はポツリと呟いた。  短い期間にたくさんの出来事があって、中にはすぐに解決できないような問題も残っている。  特に日向が心に負った傷はなかなか癒えはしないだろう。だけど――。  間違えてしまった過去は取り戻す事ができないけれど、時間をかけて日向を温かい感情で満たしていけたらと浩也は思う。 ――もう間違えない。何があっても……離さない。  日向の過去。  自分の過去。  まだ互いに知らない事は山ほどあるけれど、今は愛しいと思う気持ちが、なにより大事で確かな物ではないだろうか? と浩也は思う。 『……もしこれが夢だったらって思ったら……怖い』 「俺も……だ」  頭の中へと響いた声に返事をしながら、抱き締める腕に力を込め、その頬にキスを落とした刹那、幸せな夢を見ているのだろうか? 眠ったはずの日向がふわりと微笑む。 ――今日は、眠れそうにない。  先程は昂る体を抑えることに必死だった浩也だが、それよりも日向の寝顔をずっと見ていたいという気持ちが大きくなり――。  目が覚めたら、何度でも伝えたいと浩也は思う。  日向が呆れてしまうくらい、何度でも。  愛している……と。 最終章 終了 *まだ完結じゃないです。もう少しおつきあいください*

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