161 / 213
番外編2
「ごめん……明日からまた、ただの友達になるから、無理でも忘れてっ」
ベットから起き上がってもなお、声を出せずにいる親友……小此木亮 の顔を見る勇気が今は無くて、手早く着衣を直した佑樹は逃げ出すように彼の部屋を後にした。
ドアを閉めた途端、自分を呼ぶ声が聞こえたような気がしたのは、きっと都合の良い幻聴で、その証拠に玄関を出ても彼は追いかけて来たりはしない。
――どうして我慢、出来なかったんだろう。
家までの短い距離を走って帰り、離れにある自分の部屋のベッドへ素早くと潜り込むと、思い出したように痛みを訴えてくる後孔に、織間佑樹 は唇を強く噛み締める。
「う……くうぅ」
頭から布団を被って嗚咽を噛み殺しながら、佑樹は自分の犯した罪の愚かさに……改めて深く後悔した。
本当に、取り返しのつかない事をしてしまった……と。
ともだちにシェアしよう!