ずっと、好きだった。 　それがいつからかなんて事は、もう分からなくなっている。 　気づいたらいつも一緒にいて、いつの間にか友達以上の想いを抱いてしまっていた。 『ゆぅちゃんには、僕がついてるから大丈夫だよ！』 　幼稚園の頃、小柄で人見知りの激しい佑樹がイジメられるたび、庇ってくれた亮からいつも告げられた言葉。 『佑樹は俺にくっついてればいいから』 　中等部の頃、上級生から付き纏われた時だって、そう言っていつも側にいてくれた。 　非力な自分を情けないと思いながらも、亮の側にいられるならばそれだけでいいと佑樹は思い、彼の優しさに甘える形で親友として今まで一緒に過ごしてきけれど……。 「何が分かって無いんだよ！」 「なんにも……だよ！」 　口論する事はあるけれど、最近は口喧嘩なんてする事が無かったから、詰め寄ってくる亮の迫力に心臓が音をかなり速める。 「なんにもって何だよっ。俺に彼女が出来そうなのがそんなに悔しいのかよ！」 「そんなんじゃ無いって言ってるっ」 「じゃあ何なんだよ……佑樹もようやっと俺の他に友達出来たから、安心して彼女作れると思ったのに……何が気に入らないんだよ！」 ――友達が出来たから……安心して？ 「そんな風に思ってたんだ。亮は俺の何？　保護者？　俺に友達がいないから、彼女も作れなかったってわけ？　だったら余計なお世話だよ！　気なんか使われたらこっちが迷惑だから……もう帰るから手ぇ離せよ！」 　振り払おうと力を込めると、更に強い力で手首を掴まれた。