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「佑……樹?」  少しの間口淫を続け、亮のペニスが更に質量を増したところで口を離すと、掠れた声が空気を揺らす。 「……亮は、何もしなくていいから」  そう告げた途端、困惑とも嫌悪ともつかない表情をした亮の顔が一瞬だけ見えたけれど、敢えてそこから目を逸らし、肩を掴んで全体重をかけるようにして彼の体を押し倒した。  ギシリ……とベッドが軋む音が響く。 「なぁ、佑樹、やっぱり俺……」 「言わないで。お願い」 『こんなのは間違えてると思う』  そう続くであろう言葉を遮り、佑樹は素早く視線を動かしテーブルの上に乗せてあったハンドクリームを手に取った。 「分かってる。だから、言わないで」  目を合わせる事も出来ずに放った言葉は情けなくも震えてしまうが、それでも今止めるわけにはいかない。  震える指で必死にズボンと下着を脱いだ佑樹の耳に、亮がコクリ……と唾を飲み込む音が聞こえた。  裾が長めのシャツを着ていて良かったと心から思う。やっぱり男の体を見たら、亮は萎えてしまうだろうから。  亮の腹を跨ぐように膝立ちになり、ハンドクリームを指で掬うとシャツの裾で自分のペニスを隠したまま、それをアナルへと塗りつけた。 ――早くしないと。  本気で拒絶されたなら、力じゃ到底敵わない。  出来るだけ力を抜いて指を一本挿入すると、少しの痛みと気持ち悪さが込み上げてくるけれど、佑樹は必死にハンドクリームを馴染ませる。 「くっ……ううっ」  どれくらい解せば良いのかも、これで本当に解れているのかも分からないが、指が二本入ったところで一旦指を引き抜いた。  それから、後ろ手にそっと亮のペニスへ触れてみると、まだそこは萎えてはいない。 ――よかった。  亮が沈黙している意味は分からないし、その顔を直視する事も出来ないけれど、佑樹はまだ亮のペニスが勃っていた事に感謝しながら、その先端を自分のアナルへと宛がった。  途端、ガタガタと体が震えだす。  ネットで調べた知識だけでここまでやってみたけれど、いざとなるとやはり怖さが先に立った。 ――はやくしないと。  頭ではそう思うのに、体の震えが止まらない。 「……佑樹、お前」  困惑したような亮の声が耳を打つ。 ――このままじゃ……駄目だ。  一度だけでも好きな相手と繋がりたい。恋人になれず、親友にも戻れないのに、この状況で繋がる事も出来なかったら――。  佑樹は奥歯を噛みしめて、後ろ手で支えた亮のペニスへとゆっくり腰を落としはじめた。

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