168 / 213
8
「うっ……くぅっ……」
体を襲う違和感と痛みに、佑樹の口から呻きが漏れた。その大きさにアナルが悲鳴を上げている。
だけど、冷や汗を流しながらも、なんとか亮を受け入れた佑樹は、軽い吐き気を催しながらも言い知れぬ安堵感に包まれていた。
――繋がってる。
自分の中に亮の性器が入っていると思うだけで、胸がドキドキと脈を打つ。
――動かないと。
亮は気持ち良く無いはずだからと思った佑樹は歯を食いしばり、覚悟を決め、ゆっくりと腰を前後に振りはじめた。
「っいっ……うっ……」
動くたび、激しい痛みが襲ってくるけれど、今は気にしている場合じゃない。
一度だけならばせめて亮には気持ち良くなって貰いたい。
「んっ……ふっ…ううっ……」
懸命に腰を振りながら、無意識のうちに開いてしまった瞳に映った亮の表情は、何かを堪えるみたいに険しく、眉間に刻まれた深い皺が怒っているようにも見えた。
――怒って、当然だ。
いくら亮が優しいといっても、男となんて嫌に決まっている。
「うぅ……ごめっ……」
自然と……新しい涙が溢れだした。
それは、次から次へと留まること無く佑樹の頬を伝い落ち、さらには亮の洋服までもを濡らしてしまう。
「……ゆうき」
「ごめんっ…りょう……好きに…なって……ごめん」
何かを言いかけた亮の言葉を遮るように、佑樹は謝罪を繰り返す。
"分かってる""分かってるから"とうわ言のように繰り返しながら、それでも必死に腰を振り続けた。
呆れている?
怒っている?
後悔しないと決めたのに、やっぱり亮に嫌われるのはとても辛い。
きっと自分はこの軽率な行動を、あとで死ぬほど後悔するのだろう。
涙を止めることも出来ず、佑樹が心でひたすら自分を責めていると……次の瞬間信じられない事が起こった。
「泣くな」
突然起き上がった亮が、佑樹の頭を掴んできて――。
「……っ!!」
直後、唇に触れたやわらかい熱に、驚いた佑樹は思わず瞳を見開いた。
ともだちにシェアしよう!