「あっ……あぁぅっっ！」 　突然、めまぐるしく動いた視界にギュウッと瞼を閉じた佑樹が、パニックになって手足を動かすと背中に大きな衝撃が走る。 　状況を確認する為に恐る恐る瞳を開けば、見えてきたのは天井と、自分を見下ろす亮の顔で。 「あ……」 　驚きに……言葉を紡ぐ事もできない。 　少しの間、見つめ合う形になって心臓が煩くなるが、正常位に近い格好で未だ彼と繋がっていると気がついたから、慌ててそこから逃げようとすると、すかさず太股を強く掴まれて阻止された。 「亮……なに？」 　口をついた質問への答えは無い。 　そればかりか服の裾から片方の手を滑り込ませ、萎えたままの佑樹のペニスを亮が包み込んできた。 「なっ……やめて……離してっ」 　そこだけは絶対に見て欲しく無いと思った佑樹は、必死に両手で亮の腕を掴むけれど、そのままペニスを扱きはじめた彼の手を止める事ができない。 　それから先は佑樹にとって、嵐のような時間だった。 　無言のままの亮にペニスを扱かれながら、中をペニスで激しく穿たれ、グラグラと揺さぶられるうちに、佑樹の思考は霞みがかかったように朧げになっていく。 「いっ……あっ……あうぅっ」 　 　押し出されるみたいに口から上がる声も、嬌声からは程遠い物で。 ――なんで？　どうして？ 　彼が何を考えているのか分からないし、それを考える余裕も無いまま、佑樹の頭は亮に対する疑問符だけで一杯になる。 「うぅっ……くっ、んぅぅっ」 　激しさを増す動きに呑まれ、どんどんと薄れる意識の中で、アナルに感じる焼けつくような熱さと彼の息遣いだけが、妙にリアルに感じられた。