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 幼なじみで親友。  いつも一番近くにいた。  佑樹の事なら何でも分かると思っていた。  人見知りで、気が強くて、だけど優しくて……しっかりしているように見えて、どこか抜けている佑樹のことを、いつも守っているつもりでいたのに。 「本当……最低だ」  きっと、今追いかけて謝罪をしても、更に彼を傷つけるだけで自己満足にしかならない。 ――少し時間を置こう。  混乱している自分の心を落ち着けるには、少し時間が必要だ。  そう考え至った亮は大きく息を吐くと、ドアノブから手を放し、ベッドの方へと視線を移す。と、今度は視界に飛び込んできた光景に、息も出来なくなるくらいに驚いた。 「なっ……」  あまりの惨状に、一気に血の気が引いていくのが自分でも分かる。  クシャクシャになったシーツには紅い斑点が染みを作っていて、ゆっくり視線を落としてみると、履いているジーンズにも血液が付着していた。 ――だから……最後まで、佑樹は……。  今から思えばどんなに扱いても、彼の性器はずっと萎えたままだった。  痛かったに違いない。  苦しかった筈なのに。  それでも制止を求めなかった佑樹の気持ちを考えると、浅はかな自分の行動に泣きたいような気持ちになる。 「……どうして」  誰に問うわけでも無く呟いた亮は唇を噛み締めて、無意識のうち、爪が皮膚に食い込むくらい強く掌を握り締めた。

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