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*** ――朝?  カーテンの隙間から差し込む光を感じて目覚めた佑樹は、視界に入ってきた天井をぼんやりと瞳に映す。  興奮状態で眠れないのではないかと思っていたのだが、体力の消耗は思ったよりも激しかったようで、どうにかシャワーを浴びてベットへ寝転んだ後の記憶が完全に抜け落ちていた。 ――起きないと。  学校に行くためには、そろそろ起きないと間に合わない。  そう思った佑樹は体を起こそうと試みるけれど、思い出したようにアナルを襲った痛みに顔を歪める。 「……っ!」  声にならない呻きを上げ、それでもどうにか立ち上がってみた佑樹だが、備え付けの姿見に映った自分の姿を見た途端、愕然としてその目を見開いた。 ――酷い顔。こんなの……見せられたもんじゃない。  泣き過ぎたせいで朱く色づき腫れぼったくなった目許と、痛みのせいで前屈みになってしまう細い体。こんな状態のまま学校に行ったら何を言われるか分からない。 ――今日は、無理だ。  登校を潔く諦めて、怠さの残る体を休めるためにベッドへと潜り込むと、体を丸め、脳裏を掠める自分の痴態を振り払うように、耳を塞いで小さく首を横へと振った。 ――あんな事して、どんな顔して亮に会えばいいんだろう。  本当はそれが学校を休む一番の理由。  だけど、いつまでも休む訳にいかないし、どうにかいつもの状態へと自分を戻さなければならない。 「ただの友達……か」  言い聞かせるように紡いだ言葉は、虚しさを纏って空気に溶けた。  自己満足な行為を悔やむ権利など、自分には有りはしないのだから、亮に気を遣わせないよう普通に振る舞わなければならない。  そんな事は分かっている。  だけど……今の佑樹はそう出来るだけの自信が少しも持てなかった。

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