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日曜日は雨模様。
「おはよう」
「おはよう、浩也くん」
日向の家まで迎えに行くと、出てきた彼の目元の辺りが少し赤く色づいていたから、どうしたのかと尋ねたら、
「嬉しくて、ほとんど眠れなかったんだ」
と、はにかむ姿にドキドキした。
傘を叩く雨音と、傘の分だけ開いた距離。それがとてももどかしい。
「雨、止むといいね」
そう話しかけてくる日向の髪は、一生懸命セットしたのだろうけれど、湿気のせいか後ろ髪が少しだけ撥ねていて、歩くのに合わせそれがピョコピョコと弾む様子が微笑ましい。
「昼過ぎには上がるって、天気予報で言ってた」
「そうなんだ。当たるといいなぁ……でも、僕は浩也くんと居られたら、それだけでいいんだけど」
天然と言えばいいのだろうか?
かなり嬉しい日向の言葉に、浩也は顔が熱くなった。
いつもはかなり遠慮してしていてあまり喋らない日向だが、たまにポロリと漏らす本音を聞くたびに、浩也の胸は愛しい気持ちに包まれる。
「晴れたらいいな」
一緒の傘に入ろうなんて照れ臭くて言えないから、せめて雨さえ止んでくれたらもっと近くを歩けると、そんな願いを込めて呟けば、こちらを見上げた日向がコクリと髪を揺らして頷いた。
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