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番外編5
以前あげていた番外編5は削除しました。
栞を挟んでくださった読者様、本当に申し訳ありません。
*浩也×日向*
吐く息が白い蒸気になって空気へと吸い込まれる。
吸い込まれるという表現はおかしいような気もするが、日が暮れ暗くなった校庭に一人佇む日向から見れば、消えるという言葉よりもそちらの方がしっくりときた。
――今日も、忙しいんだろうな。
校庭とはいっても日向が立っているのは校舎の側で、出てきた教師に見つからないように壁の窪みに隠れるように身を潜めて待っている。
生徒会長になった浩也は毎日何かと忙しく、遅くなる事もしばしばだから、いつもは彼の言葉に従い日向は先に帰っていた。
今日も遅いと言われていたから一度は家へと帰ったのだけど。
――怒るかな?
一年前の冬休み……章と梓が遊びに来た。
元気な姿を見せようとして精一杯頑張ったけれど結局二人を誤魔化せず、一人暮らしは心配だから梓が残ると言い出した時、自分を一緒に居させて欲しいと浩也が二人に頭を下げた。
付き合っているという事も全て隠さず二人に告げた上で……だ。
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