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対等③

「少し猫背だねぇ。日頃かがむ事が多い仕事の人は こうなりやすい。」 そう言って俺の背中へ手をやり ぐっと持ち上げられて背筋を伸ばされた。 「腕・足にかなり筋肉量が多いし きちんとした物を作るなら やはりフルで作った方が いいとは思うが 猶予はどれくらいかね?」 伊織さんへと目を向けると 「2カ月程ですね。」と沢木さんが スケジュール帳へと目をやり代わりに答える。 2カ月・・・。 2カ月??? 「え・・。そんなにかかるんですか。」 「まあ最低2カ月って所だろうね。」 何でも無い事のように沢木さんはそう教えてくれた。 そんな服知らないし想像もつかない。 それに。 え。。俺2カ月先までこの人と付き合うの・・? まずそういう事をちゃんと説明されてない。 混乱していると腕を取られ 「ならば直ぐにでも取りかからないとな。」と 住田さんはもう一つの部屋へと俺を連れて行く。 あっという間に全裸にされて上から下 隅々まで計測されて・・・。 「これでいいだろう。」と言って貰った時には 全身ぐったり。マッパのまま椅子に どかっと座りこんだ。 ドサッと体の上に服を投げつけられる。 「早く着ろ。」 伊織さんはそう言ってそのままソッポを向いた。 もう。ホントこの人 ムカつくんだけど。 勝手に連れてきて勝手に裸にされて 勝手に色々計測されて。 やって欲しいともスーツが欲しいとも言ってない。 ましてや2カ月先なんて・・・。 何も聞いてない。

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